バーナード・リムランド先生は、心理学で博士号 (Ph.D) を取得して間もない頃、幼いお子さんが自閉症であると診断されました。心理学者であっても集団心理と実験デザインが専門だったので、自閉症 (autism) という用語も知らなかったのですが、調べてみると、冷たい母親のせいという仮説が主流であると分かりました。お子さんは産まれたときから泣いてばかりいて、明らかに普通の赤ちゃんとは違っていたし、奥様の人柄から考えて、この仮説は間違っていると直感し、あらゆる文献を読みまくり、この仮説が根拠薄弱であることを証明する著書『小児自閉症』を1964年に発表しました。もともとこの仮説を支持していたレオ・カナーも自分の間違いを認め、リムランド先生の著書に推薦文を寄せました。
著作が世に出てからは親たちの手紙を情報源にして研究を進め、ABAの普及に尽力し、全米自閉症協会の前進となる親の会を設立し、ヴィタミンB6の二重盲験、遺伝の研究、映画『レインマン』製作にあたっての技術顧問、テンプル・グランディン先生 (Ph.D) やドナ・ウィリアムズさんへの助言、自閉症の治療につながる研究を推し進めるDAN!を主催するなど、民間学者でありながら沢山の親たちの支持を得て活躍してきました。
リムランド先生の自閉症研究所 (Autism Research Institute)、通称ARIは歴史が長く、分かりやすい英語で解説した資料が豊富にありますが、全てをネット上で読めるわけではありません。自閉症について勉強したいかたは、さまざまな印刷資料をここから取り寄せて
みる読んでみる方が得られることは多いと思います。特に、親の立場でABAについて書いてある印刷資料は貴重です。
posted by iRyota at 07:42|
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