2005年06月04日

5-HTP、セロトニン、5-HIAA

13歳から19歳の自閉症児 (白人男子) 18人と、同世代の定型発達児20人で、セロトニンと5-HIAA (5ハイドロキシインドール酢酸) の血中濃度に有意な差はありませんでしたが、5-HTPの錠剤を体重1キログラムあたり4ミリグラム投与してから血液を調べたところ、自閉症児のセロトニンが有意に高くなりました。ただし、5-HIAAに関して有意な差は見られませんでした。

これはベルギーのアントワープ大学で行なわれた実験です。



食べ物に含まれているトリプトファンから5-HTP (5ハイドロキシトリプトファン) が作られ、この5-HTPからセロトニン (5-HT) が作られ、セロトニンから5-HIAAが作られます。今回の実験では、5-HTPの投与で自閉症児のセロトニンが増えましたが、そこから先の違いは見られないという結果でした。

もう一つ、今回は血液中の変化だけを記録したもので、行動や症状においてどういう変化があったのか、なかったのかについては触れていません。
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2005年06月02日

自閉症、血液検査で分かりそう

4歳から6歳の自閉症児70人と定型発達児35人の血液を比較し、いくつかの違いが発見されています。カリフォルニア大学デイヴィス校で、デヴィッド・アマラル教授たちが行なっている研究です。顕著な違いとして見つかった例を挙げます。

 自閉症児のB細胞は平均して2割多い。
 自閉症児のナチュラル・キラー細胞は平均して4割多い。
 100をこえるタンパク質に明確な差がある。

B細胞とナチュラル・キラー細胞は、免疫作用の一部です。

上記の三つは発見された特徴の一部ですが、こういうデータが蓄積されれば、自閉症の診断や発見に関して客観的な手がかりが得られるかもしれません。

これまでは行動や発達面の特徴を観察するだけで診断されており、どうしても観察者の主観が入っていました。化学的な基準が分かれば、早期発見が容易になり、その分、早期教育の成果も期待できるという理由で注目されています。

今後は、出生児や乳児期の血液の比較、予防接種の前後を比較して変化の有無を確かめる研究などの可能性も検討されています。



この研究は、カリフォルニア大学デイヴィス校 (UC-Davis) のMIND研究所で行なわれている物で、5月にボストンで開かれた第4回IMFARで発表されました。

同じ発表に関して、もう少し専門的な見地から報道している記事もあります。

訂正: 上記の研究班と情報を交換しながら、同じUCデイヴィスMIND研究所の別の班が行なった調査で、自閉症児の体から採取した細胞や血液をさまざまな病原体と接触させ、主に免疫作用に関わる物質 (サイトカイン) や何種類かのペプチドに特徴的な差が見つかりました。




UCデイヴィスMIND研究所は、Medical Investigations of Neurological Disorders [神経学的な症候群を医学的に調べる] 研究所として、親たちの運動によって設立され、州政府の予算で運営されています。
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2005年05月06日

毛髪検査に見るミネラルの比率

DDIやGPLの毛髪検査の結果を印刷した用紙の右下に "RATIOS" という項目があります。いくつかのミネラルの比率を列挙したものです。

"Ca/Mg"はカルシウムとマグネシウムの比率、
"Ca/P"はカルシウムと燐 (phosphorus)、
"Na/K" はナトリウムとカリウム、
"Zn/Cu"は亜鉛 (zinc) と銅 (copper)、
"Zn/Cd"は亜鉛とカドミウムの比率です。

Ca/Pの比率が高く、
必須ミネラルの項目でマグネシウムに対するナトリウム (sodium) の比率が低いばあい、
ヴィタミンB6を補充する必要性が示唆されます。

Ca/Pが低く、
カリウムに対するカルシウムの比率と
マグネシウムに対するナトリウムの比率が高いばあい、
免疫機能の低下が示唆されます。

Ca/Pが低いか、
マグネシウムに対するナトリウムの比率と
カリウムに対するカルシウムの比率が高いばあい、
いくつかの消化酵素で効果的である可能性があります。

(Andrew Hall Cutler, Ph.D, Hair Test Interpretation: Finding Hidden Toxicities, p. 114)


亜鉛はカドミウムの吸収を防ぎます。カドミウムの排出は非常にゆっくりです。ですから、Zn/Cdの比率は高いほど良いです。999より高いのは悪いことではありません。

5/07追加


「マグネシウムに対するナトリウム」の比率ですが、1:1よりナトリウム (sodium) が少なければ、ナトリウムの比率が低いと考えて結構です(Cutler, Hair Test Interpretation, p. 114)。

Ca/Mg、Ca/P、Na/K、Zn/Cu、Zn/Cdに関しては "EXPECTED RANGE" の範囲から外れているかどうかを見て下さい。

それ以外の比率に関して、基準の数値はアンディさんの本には示されていません。

B6の大量投与による効果が示唆される例は、ほかにも挙げられています:
 毛髪の亜鉛が高い
 毛髪のマグネシウムが低い
 毛髪のCa/Pが高い

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2005年05月03日

ノルウェー: GFCFダイエットの臨床実験

グルテンとカゼインを完全除去するグルテンフリー・カゼインフリー・ダイエット、通称GFCFダイエットは、自閉症児の一部で症状が緩和され、教育がしやすくなる方法として、ノルウェーや英国で長い研究の歴史があります。この方法の理論的基盤となる尿中ペプチドの検査もノルウェー、英国、米国で行なわれるようになりました。

尿検査でペプチドに異常の見られた自閉症児20人を無作為抽出で二つの集団にわけ、一方だけは家庭でGFCFを行ない、それぞれ1対1の教育の場で一重盲験による観察を行ない、1年間の記録をまとめた論文が2002年に発表されました。ダイエットをしなかった集団でも一部で症状の緩和が見られる子はいましたが、ダイエットをした方の集団は1年間に渡って症状の緩和が続き、行動の変化と教育の成果に明確な差が出ました。

論文を読んでみて気づいたのは、教育関係者の協力によって長期的な調査が行なわれたことです。どの子がダイエットをしているのか知らされず、1年間の訓練の相手をして、記録をつけていたようです。

この論文は、ネット通販と同じようにクレジット・カードで30ドルはらう手続きをすれば、PDFをダウンロードできます。

著者: A.M. Knivsberg, K.L. Reichelt, T. Hoien, M. Nodland (2002).
題名: A Randomised, Controlled Study of Dietary Intervention in Autistic
 Syndromes
掲載誌: Nutritional Neuroscience (Taylor & Francis): 5.4. Pp. 251-261.


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2005年04月24日

自然療法の総合的な案内書

自閉症に限らず、統合失調症など、精神科で扱われるさまざまな症候群に該当する人の中には、補助食品や食事制限などで症状を緩和できる人がいます。1960年代からさまざまな研究も行なわれています。そういった成果を参照しやすい形で1冊にまとめたのが Eva Edelman [エーファ・エーデルマン] 先生の Natural Healing for Schizophrenia and Other Common Mental Disorders [統合失調症など精神科でしばしば扱う症候群のための自然治癒法] です。

通読する本と言うより参照する本です。いろいろな症状、栄養剤、アレルギーや解毒など、さまざまなテーマを要領よく整理して、限られたスペースにつめこんであります。統合失調症を対象にしたヴィタミン大量投与の開拓者として知られるエイブラム・ホッファー博士 (MD, Ph.D) が序文を寄せています。

アンディ・カトラーさん (Ph.D) も、毛髪検査の著書の末尾で、この本を推薦しています。

自閉症の原因は複数あると僕たちは考えています。そう考えている専門家は何人もいます。統合失調症と境界領域にある人もいます。最終的には、一人一人に合わせた健康管理や、医学的ケアが必要です。そのための糸口が、この本から見つかるかも知れません。

ネットで販売しているところはいくつかあります。アンディさんを通して買うこともできますが、僕はアマゾンから取り寄せました。
この本を出版しているボリジブックス社に直接注文することもできます。







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2005年04月11日

豪州: セクレチン鼻スプレー

セクレチンはもともと下痢の治療に使われてきたホルモンです。セクレチン注射の直後に発語が始まったなど自閉症状緩和の例が報告され、90年代にブームがありました。その後いくつか大規模な二重盲験が行なわれ、下痢など消化器症状を伴う自閉症児を対象にした実験では効果が確認されました。そういう条件をつけずに集めた自閉症児が対象の実験では、偽薬を使った集団と比較して有意の差が見られませんでした。

差が見られなかったという結果だけが何度も報道され、セクレチンの効果は幻想だったと思っているかたが今は多いようです。日本で長年つかわれてきた合成セクレチンも、米国で親の方が経営している会社が商品化してきたブタのセクレチンも製造中止になったようです。

これまで日本や米国でセクレチンを続けてきた家族はそれで困っていたのですが、オーストラリアに住んでいる親のかたが、鼻からスプレーするセクレチンを紹介してくれました。Secretin Nasal Spray [セクレチン鼻スプレー] 略して Secrenase [セクレネーズ] という商品名です。



注射のばあいは月1回でしたが、鼻スプレーは1日1回が標準のようです。処方箋もいりません。まだ長い歴史はなく、効果に関して確証は得られていないかもしれませんが、消化器症状を伴う自閉症のお子さんでこれを試しているかたも出てきました。若干多動になる例もあるようです。伝統的なセクレチンの使用法と同じように、下痢にも効果があるかもしれません。

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2005年04月08日

10年目のDAN!は来週ボストンで

10年前、自閉症の研究のうちで、直接の治療や症状緩和に繋がりそうなことを調べたり実践している専門家をリムランド先生(Ph.D)が選りすぐってダラスのホテルに集め、討論させたのが第1回のDAN! (Defeat Autism Now!) でした。その後は毎年のように大規模な研究集会を開催し、今度は4月14日から17日までボストンで行なわれる予定です。


不思議なのは、講演者の名前や講演の題目がまだ発表されていないことです


デヴィッド・カービーさんが15日の基調講演をすることはカービーさんの頁で分かります。題目は "Why Thimerosal Is Not Front Page News in America" [米国の新聞でチメロサールが第1面に載らないわけ] です。


追記: ARIの頁からプログラムへのリンクがありました。教えて下さったさゆみさんに感謝します。

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2005年04月05日

自閉症と消化酵素

グルテンやカゼインを含む食品を除去するダイエットで一部の自閉症児に症状の改善が見られることを裏付ける研究は何十年もの歴史があり、ドナ・ウィリアムズさんのようにそういう除去食を続けている人たちもいます。90年代になり、こういう食事療法で効果がある理由の一つとして、消化酵素の不足が指摘されるようになりました。

天然の植物から抽出した酵素を適切に配合し、ダイエットの代わりになる補助食品の開発に成功したのはデヴィン・ヒューストン先生 (Ph.D) でした。二つの集団を比較するような実験報告はありませんが、これらの酵素は通常の食品に比べても危険の少ない商品なので、様子を見ながら試してみる家族が米国で増えています。PDDやアスペルガーなど、軽度のお子さんたちの中には、こういった酵素でダイエットを卒業できたと言っている例もあります。現在、ヒューストン社の酵素は、ほとんどがサプマート社を通して日本語で注文することができます。



酵素を飲み始めると、なぜか尿ペプチド検査の結果が不正確になります。検査は前もってしておきましょう。

ペプチドに異常が見られたばあい、これらの原因となるグルテン・カゼイン・大豆蛋白を完全に分解してくれるのがペプチザイドです。

ペプチザイドに含まれるパパイヤ酵素で調子がおかしくなる子もいることが分かり、その代わりとして開発されたのがAFPペプチザイドです。粉末や、お菓子感覚で食べられるチュアブル・タブレットもあります。

トマトやピーマンなど、色の濃い野菜や果物を食べるとケタケタ笑ったりするお子さんはフェノールなどの色素を含む成分をうまく分解できないようです。こういう成分を完全に消化できるのがノー・フェノールです。

ノー・フェノールは、就寝前など、食事の時間から離して摂取することで、有害なイースト菌を弱らせる作用もあるようです。

小麦を除去することで症状に改善の見られるお子さんの中には、グルテンなどのタンパク質のほかに炭水化物を分解する酵素が不充分なお子さんもいます。そういうばあい、炭水化物の分解を完全にするザイム・プライムが効果的なこともあります。ザイム・プライムのチュアブル・タブレットが最近開発されました。これはまだサプマートで扱っていないので、ヒューストン社に直接注文する必要があります。



ダイエットに興味はあるけれど大変そうで二の足を踏んでいるというかたは、こういう酵素を試してみても良いと思います。ただし、アレルギーなどがあるばあい、酵素と平行して、やはり特定の食品を除去した方が改善が見えるお子さんもいます。
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2005年03月31日

ブレインチャイルド社の栄養剤

個人的に利用した経験は無いんですが、米国の親たちのあいだでときどき話題になるブレインチャイルド社 (BrainChild Nutritionals) を紹介します。この会社を始めたのも親のかたらしいです。

何種類もの栄養剤を定期的に飲ませるのは大変なので、これを混ぜて一つの商品にしてしまえば、手間は省けます。成分表を見比べながらどの時刻にどれを飲ませるか考える必要はありますが、それでも2・3種類ですみます。そういう風に使えるのがブレインチャイルド社の Spectrum Support です。

成分で注意が必要なのはアルファリポ酸とMSMです。水銀をキレートして脳を出入りするので、夜中でも2・3時間おきなど、きちんと時間を決めて飲ませる必要があります。キレート剤を投与する時刻にはリポ酸の入っている Spectrum Support I^ を使い、キレート剤を投与しない時刻にはリポ酸の入っていない Spectrum Support II を使うという組み合わせを実施している親のかたもいます。MSMもわずかですが水銀を動かす可能性があるので、個人差もありますが、MSMの入っていないMegaMineralsや Ultrasensitive Formula を選ぶ人もいます。



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2005年03月22日

DMG: 大規模な二重盲験

DMG (dimethylglycine、ディメチルグリシン、ダイマサイルグリシン)は、もともとヴィタミンB15とかパンガミン酸という名前で販売されていた栄養剤です。自閉症児の一部で症状を軽減させる効果があると言われ、実際に飲ませている家族は70年代から米国に存在しているのですが、厳密な臨床実験に必要な資金が得られないため、ながいあいだ民間療法として使われてきました。90年代になるとリムランド先生の呼びかけでドナ・ウィリアムズさんや沢山の家族が服用を始め、非公式の報告が注目されると、小規模な少量投与の二重盲験が行なわれ、二つの集団に意味のある差がなかったとして簡単に否定されてしまいました。

台湾では、自閉症児106人を性別・体重・言語能力に応じて同程度のペアに分類し、それを無作為抽出し、一方にDMG、もう一方に偽薬を飲ませる二重盲験を行ないました。DMGの投与量は体重1キログラムあたり6.94から10.41ミリグラムです。4週間の投与を行なったあと、2週間の休養期間をはさんで、二つの集団を交代させ、最初に偽薬を投与した集団にDMG、最初にDMGだった集団に偽薬を投与して4週間の実験を行ないました。最初の4週間が終わった時点で22人 (21%) が脱落し、10週間後には61人 (58%) が脱落しました。これでは適切な比較ができないので、最初の4週間が終わった時点での検査結果だけを分析しました。78%で症状全般と発達に効果が見られました。約7%で不眠やイライラなどの副作用が見られましたが、そのうち78%は葉酸の補充で解消できました。ただし、自閉症児の症状や発達の度合いは個人差が大きく、推測に頼らざるを得ない面も大きいので、厳密な評価は困難です。それでもイライラ、倦怠感、同一性保持、多動、不適切な言語などの症状に対して、軽度から中度の改善が見られたと判断されました。ただし、今後の課題として長期にわたる効果の検証は必要です。

90年代末期に台湾で行なわれた実験で、2000年に台湾の医学雑誌に掲載されましたが、日本ではほとんど知られていない報告なので、あえて紹介しました。以下の頁で英文による要約を閲覧できます。

Shin-Siung Jung, Yueh-Ching Lee. (2000.) "A double blind study of dimethylglycine treatment in children with autism." Tzu Chi Medical Journal 12: pp. 111-121.



http://www.tzuchi.com.tw/tcmj/89-2/8902-6en.htm
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2005年03月14日

炭水化物とダイエット

国内の頁ですが、たまごおうじの母さんの頁を読んで感心させられることがしばしばあります。最近、イモ類の影響について書いてらっしゃるのを拝見して、炭水化物について考えてみました。

http://plaza.rakuten.co.jp/ganbarutamago/diary/200503100000/

自閉症児の一部で症状を軽くできる食事制限として最も知られているのはグルテンとカゼインを含む食品を完全に除去するグルテンフリー・カゼインフリー、通称GFCFダイエットです。GFCFは血液や尿を調べた研究も沢山あり、二つの集団を比較した臨床実験の論文もあります。ただ、きちんと続けるのは非常に大変です。何らかの効果が見られるのは自閉症児の6割程度ですから、4割に相当する人が試しにやってみるには大変すぎるかも知れません。前もって尿ペプチド検査はしておいた方がよいです。

http://www.greatplainslaboratory.com

ペプチド検査で陽性だったけれど学校給食などの関係で実施は難しいという人は、Houston社のAFP-Peptizydeなどの消化酵素をかわりに使うという方法もあります。

グルテンを除去することでお腹の調子や自閉症の症状に改善の見られる人の中には、タンパク質の未消化ペプチドよりも炭水化物に悪影響を受けやすい体質の人もいます。それが消化の問題なら、Zyme Prime などの酵素で分解を完全にすることで、症状を軽くできることもあります。

中には糖質そのものが駄目という人もいます。いくら炭水化物を摂取しても、腸内でカンジダなどの有害菌にそれを奪われてしまい、有害菌が増えるだけというタイプです。こういう子は、糖質の多い食べ物を少し増やすとすぐに症状が悪化します。

対策として米国で実施されている何種類かのダイエットを紹介します。一つはアトキンス・ダイエットという方法で、これは日本語の頁もあります。

http://www2.plala.or.jp/eddie/

米国の親たちのあいだで評判が良いのは Specific Carbohydrate Diet [特定炭水化物ダイエット] 通称SCDという方法です。

http://www.scdiet.info/

これと似た方法で、栄養学のさまざまな手法を採り入れている Body Ecology Diet、通称BEDという方法もあります。

http://www.bodyecologydiet.com/

この種の問題で悩んでいるお母さんたちは、最近「腸弱会」と名乗ってらっしゃるそうですが、アトキンス、SCD、BEDあたりがヒントになるかもしれません。穀物などを控えても、脂肪を燃焼させることができれば、カロリーは補えるそうです。てんかんの発作がSCDやアトキンスで減ったと言っている親の方も米国にはいるそうです。

最後に、アンディ・カトラー先生 (Ph.D) がダイエットについて助言している投稿も紹介しておきます。

http://health.groups.yahoo.com/group/Autism-Mercury/message/129186
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2005年03月12日

アスペルガーの親子: 偏頭痛と消化酵素

カレン・L・デフェリーチェさんは大学院で農業科学を専攻して修士号を取得し、理科の教材を開発する仕事をしてきた才女ですが、子どものころから、言われたことをいつでも文字通りに解釈してしまう癖がありました。偏頭痛に悩まされることもありました。ちなみに結婚したお連れ合いは医学博士です。

あとになってからご自身がアスペルガー症候群であることを知りました。そして、産まれたお子さんも一人はアスペルガー、もう一人も軽度の自閉性症候群であることが分かりました。

お子さんたちの症状を改善できる方法を求めて猛勉強を始めたカレンさんがまず見つけたのは感覚統合訓練、ABA、それにGFCFダイエットでした。

特にGFCFはお母さんも一緒に体験し、効果も実感しました。親子で偏頭痛もおさまりました。お子さんたちが小学校へ通う年齢になってくると厳密な完全除去を続けるのは難しく、わらにもすがる思い始めたのが続きを読む
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