2005年04月28日

自閉症児におすすめの絵カード教材

Stages Learning Materials [ステージズ教材社] の Language Builder: Picture Noun Cards、通称ランゲージ・ビルダーは、日本でも使える絵・写真カード教材です。350枚の美しいカードが頑丈な箱に入っています。カードの裏側には単語や分類のヒントが英語で印刷してあり、訓練記録を記入する欄もあります。DPEの写真と同じ大きさなので、あとで写真カードを追加することもできます。勿論、英語の教材としても使えます。

初期の課題として使えるカードは白地に物だけが写っており、同じカードが2枚ずつあってマッチングの練習もできます。色や抽象的な図形のカードも2枚ずつあります。次の段階で使えるカードは、混乱しない程度に背景が写っており、同じ名詞でも少しずつ違う写真が何種類かあります。たとえば猫や自動車など、違った感じの猫や自動車が数種類あります。

段階が上がってくれば、食べ物、乗り物、動物といった分類の勉強にも使えます。これはVBの訓練にも便利です。

唯一の難点は値段が高いことです。写っている物が米国のものばかりで色が派手だったりしますが、我が家では問題になりませんでした。食べ物のカードには東洋風の麺類 (おそらくうどん) や、ケチャップ味の米のごはんもあります。

購入のしかたとしては、ステージズ社に直接注文する方法があります。

僕たちはDRLから取り寄せました。

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2005年04月21日

米: 早期教育に関する政府諮問委員会の勧告 2001

90年代の終わりに、米国政府の資金で、自閉症児の早期教育について検討する諮問委員会が組織され、全米各地で行なわれた研究報告を比較し、その結果が2000年 [訂正: 2001年] に発表されました。委員長はミシガン大学のキャサリン・ロード教授 (Ph.D) です。以前はノース・キャロライナ大学で教授をしていたので、TEACCH関係者のあいだでは有名な人物ですね。

検討の対象となったのはABA、TEACCH、デンヴァー・モデル、フロアタイムで、数が多いのはABAですが、それぞれが基盤としている理論の違いよりも、いくつかの共通点の方にこの委員会では着目しました。成果の上がった方法の要点は以下の通りです。自閉症児の教育に関して、権威ある専門家集団のあいだで形成された合意と考えてさしつかえないでしょう。

1. 早期開始 (p. 151)
「自閉症スペクトラムに該当することが疑われたばあい、個人に合わせた細かい目標と体系的な実施計画に基づく教育を、可能な限り早期に開始すべきである」(p. 220).

2. 訓練時間に関して集中的 (p. 151)
「体系的な計画に基づき、明確な目標を定め、発達段階に適した教育活動を、最低でも週25時間、年間12ヶ月を通して行なうべきである」(p. 220).

3. 家族の役割を重視 (p. 152)

4. 自閉症に特化し、高度な訓練を受けたスタッフ (p. 154)

5. 子どもの進歩を、継続的かつ客観的に把握 (p. 156)

6. 計画的・体系的なカリキュラム (p. 158)

7. 物資・時間・人員を充分に (p. 158)
「それぞれの目標が効果的に達成されるよう、一人一人の子どもに対して毎日充分な注意が払われるべきである。充分な注意というのは、個別のセラピー、発達段階に適した少人数指導、1対1の直接指導を含む」(p. 220).

8. コミュニケーションの確立やその他の発達領域に焦点を絞る (p. 159).
コミュニケーション、課題への集中、社交的なふるまい、遊び、認知や学習技能、自助技能、行動問題、手足の運動能力 (pp. 160-163)

「非常に幼い子のばあい、ほとんどの子は訓練によって音声言語を発するようになる可能性があると仮定して教育計画を作成すべきである」(p. 221).

入念に計画され、学術的な研究に基づく教育手順には、覚えた技能を一般化・定着させ、維持するための計画が含まれる (p. 163).

9. 個別介入計画は、子どもの様々な能力とニーズに応じて幅広く補正していく必要がある (p. 164).

10. 幼児クラスから義務教育へとの移行が計画的に支援される (p. 163).

参考資料

Lord, C., Bristol-Power, M., Cafiero, J. M., Filipek, P. A., Leslie, A. M., McGee,
 G. G., Odom, S. L., Rogers, S. J., Volkmar, F. R., & Wetherby, A. M., as
 Committee on Educational Interventions for Children with Autism, Division
 of Behavioral and Social Sciences and Education, National Research
 Council. (2001.) Educating children with autism. Washington,
 DC: National Academy P.
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2005年04月17日

FEATの技で早期介入

FEAT (Families for Early Autism Treatment) [フィート: 自閉症の早期介入を応援する家族の会] という団体がカリフォルニア州サクラメントで1993年に設立され、地域とネットで盛んに活動を始めました。今はFEATと名乗る団体がカリフォルニアで5カ所、テネシー州で2カ所、テキサス州で2カ所、それ以外に12の州で活動しています。カナダでも三つの州にあります。


93年は、ロヴァス式早期集中行動介入の追跡調査の結果が論文として発表され、キャサリン・モーリスの『わが子よ、声を聞かせて』が出版された年です。この時期に、幼いお子さんが自閉症だと診断された親たちは、この方法に興味を持ち、自分たちの子どもにも受けさせることはできないかと奔走しましたが、当時の自閉症協会など、多くの自閉症関係者は、この方法に対して後ろ向きだったようです。それで若い親の人たちは自分たちで情報を交換し、資金を集め、セラピスト候補者をUCLAに派遣して勉強させたり、自治体への請願などの運動を始めるためFEATを結成しました。

そのころ新たに自閉症と診断される乳幼児の数は多く、インターネットの民間利用も始まっていたので、ネットを使える親の人たちを中心に、会員も増えたようです。レニー・シェイファーさんの担当するEメールによるニューズレターは会員外でも定期購読者が増え、後に独立してSARとなりました。

北米各地に設立されたFEATはそれぞれで連絡を取りながら独自に活動しており、本部と支部という関係ではないようです。名前も "Early" のかわりに "Effective" [効果的] という単語を使い、自閉症への効果的な介入を応援する家族の会としている地域も沢山あります。

具体的な活動としては、資料の貸し出し、学習会、寄付金集めの夕食会、地域の学校に対する請願などです。学校で自閉症児を担当する先生の中にはABAに対して否定的なかたもいるので、そういう先生に対してしつこく請願を繰り返すようなこともしています。

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2005年04月09日

RDIの基本図書

RDIは、理論を説明した本と課題集が出ており、理論の方の本から読んでみました。(理論の本でも実例は豊富に載っています。) Autism Asperger: Solving the Relationship Puzzle [自閉症とアスペルガー ―人間関係のパズルを解く―] という題名です。参考になりそうな部分をちょっと書きます。

ガステイン先生 (Ph.D) は臨床心理学者として行動療法を実践し、言語などの能力を伸ばすことができても、自閉性症候群の子どもたちがなかなか社交的にならないことを気にしてきました。ABAで社交の作法を教えれば覚える子でも、それで社交的になるかどうかは別問題だそうです。アスペルガーの子で、普通の子のふりをする演技が完璧にできる子もいて、まわりの人は彼のことを定型発達 (普通) だと考えていても、青年期になると孤独感に悩まされ、相談に来たりするそうです。(定型発達の人でも演技はすると僕は思いますが。)

「心の理論」もよく話題にあがりますが、これを理解させても、定着しないそうです。英国ケンブリッジで「心の理論」を研究しているサイモン・バロンコーエン先生 (Ph.D) たちも、IQの高い自閉性症候群の子どもたちを相手に実験を行ない、「心の理論」を理解させることには成功しましたが、追跡調査によると、その子たちの社交性に変化は見られなかったそうです。ほかの人が何を考えているかなど、理解できても興味がないそうです。

そこでガステイン先生は、乳幼児が社交性を獲得していく過程を再検討しました。大雑把にまとめるとこんな感じです。(正確な要約ではありません。)

1. 年長者から快感刺激をもらい、人が好きになる。
2. 最初は同じ刺激の繰り返しを好むが、時々は意外な展開も面白いと思うようになる。
3. 年長者に導かれ、体験する快感刺激の種類を増やす。
4. 人の感情を読めるようになる。
5. 自分が楽しいとき、一緒にいる人も楽しいと分かると、嬉しい。(これが大事)
6. 同じ体験を共有していても、人によって感じ方が違うばあいもあることを悟る。
7. 感じかたの違いによる意外性も面白いと思うようになる。
8. 本当の気持ちを隠して演技する人もいることを知る。(心の理論)

自閉性症候群の子どもたちには、大人が積極的に介入し、上記の過程を通じて導いていくことが必要なんだそうです。RDIでは、いないいないばあのような遊びを通じて、相手の顔を見させるところから始め、ひとつひとつ遊びながら教えていきます。実際の訓練は、一見すると遊戯療法のようですが、フロアタイムや従来の遊戯療法と違って、大人主導です。

この方法では、IQの低い子でも、その子の知的水準に応じて社交性を育てることができるそうです。逆にアスペルガーの子で年齢不相応に言語能力が高いと、かえって社交性を育てる妨げになりかねないとも言っています。(相手かまわず難しいことを喋って、子どもたちが逃げてしまったり。)

米国まで行って訓練を受けられれば理想ですが、本格的にRDIを採り入れることが出来なくても、参考になることは沢山ありそうです。おねだりをするときなどに相手の顔を見ることを重視し、社交性の伸びるような遊びかたを考えてみるところから始めると良いでしょう。

上記の文章は、2002年にある会議室で発表したiRyotaの記事をもとに、若干の修正を施したものです。

この本の文章は、自閉症について英語で書かれた本の中では、読みやすい方だと思います。

本の購入先


DRLから取り寄せた本をiRyotaは読みました。


ガステイン先生たちが経営しているコネクションズ・センターから直接とりよせることもできます。


この本を出版しているフューチャー・ホライズンズ社から直接とりよせることもできます。

参考資料

Steven E. Gutstein. (2000.) Autism Aspergers: Solving the Relationship Puzzle;
  A New Developmental Program That Opens the Door to Lifelong Social &
  Emotional Growth
. Arlington, Texas: Future Horizons.
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2005年04月04日

ABA: ロヴァス式早期集中行動介入の成果

自閉症児の教育方法として米国では定番になっている早期集中行動介入に対して賛否両論があっても良いですが、日本で出版されている書籍などを拝見するとまだまだ初歩的な誤解が沢山あります。実際にどういう成果が上がったのか、基本的なことを復習しておきましょう。

1970年代から80年代にかけてO・I・ロヴァス博士 (Ph.D) たちがUCLAで行なった実験では、連邦政府の研究資金が交付されたので、理想的な条件で早期集中行動介入を実施できました。最初の予定では被験者を無作為抽出で二つの集団に分け、一つは実験の効果を最大限にした実験群、もう一つは効果を抑制した抑制群 (control group) として結果を比較する予定でしたが、親としては自分の子が抑制群に振り分けられることを望みません。それで親たちが連邦政府に直訴しました。人道的な理由で、無作為抽出を行なうなら資金を交付しないと政府機関から通告されたロヴァス博士は、やむおえず別の方法で被験者を二つの集団に分けました。UCLAの近くに住んでおり、親も本気で取り組む意志があることを約束した20人を実験群、それ以外を抑制群としたのです。

最重度の子どもたちは、自閉症以外の困難を併発している可能性があるという理由で実験から除外されました。当時の診断基準で自閉症とは別だったアスペルガー症候群の子どもたちも入っていません。開始前の時点での平均IQは、実験群が63、抑制群が60でした。(非公式な話ですが、抑制群にレット症候群のお子さんが入っていたことが、あとで判明したようです。)

63という平均IQはやや高めかも知れません。検査をするときは、大人の指示に従ったら褒美をあげて強化するということを徹底して、能力を充分に引き出すようにつとめたとロヴァス博士は言っています。その分、介入前と介入後の差は小さくなるはずとも言えます。

実験群には週35から40時間の訓練が行なわれました。親が中心になって取り組み、複数の学生セラピストが交代で子どもの相手をし、大学院の修士課程を優秀な成績で終了した年長セラピストが毎日のように家庭訪問して進行状況を確認し、臨床班の会議が毎週ひらかれました。集中というのは単に時間が長いという意味ではなく、内容も集中的なのです。

抑制群は親勉強会だけで訓練時間も常識的な範囲、セラピストの派遣も無かったようです。

実験群20人のうち19人が残り、平均IQは20上昇しました。最も劇的に伸びた9人 (47パーセント) の平均IQは37上昇し、この子たちは過去の診断歴を隠して小学校の普通学級に入学し、最初の一年間を問題なく良い成績で終えました。もう一歩だった子どもたちの一人はその後に伸びて普通学級入りし、短大に進学しました。ここまでの成果は度重なる審査と議論を経てJournal of Clinical and Consulting Psychology に掲載されました(Lovaas 1987)。

正常機能を獲得した9人のうち一人は、IQが高くても風変わりな行動が増えてしまい、その後、特別学級に移動しました。それ以外の8人は小学校卒業まで問題なく過ごし、成績も良好、IQやさまざまな心理試験でも正常範囲、二重盲験でマジック・ミラー越しに大学院生が観察しても普通の子と見分けがつかなかったそうです。ここまでの成果は論文として American Journal on Mental Retardation に掲載されました(McEachin, Smith, & Lovaas, 1993)。この論文は巻頭特集のような扱いで、リチャード・フォックス博士やG・B・メジボヴ博士をふくむ何人かの有名な専門家によるコメントと、それに対するロヴァス博士たちの回答もついています。ショプラー博士や日本の先生がたなどがロヴァス式ABAを批判するとき、この論文は黙殺されることが多いです。

ABAに肯定的な英国のリッチマン先生が書いた本などでも、これらの論文に関する記述は間違っています。初期の失敗例を報告した73年の論文が早期集中介入の論文であるかのように書いてあります。日本語版の監修を勤めた先生がたも原書の間違いを指摘するようなことはなさらなかったらしく、そのままになっています。93年の論文は、ロヴァス式の効果が定着しないと言う「定説」に対する反証として、米国では親でも読んでいる基本文献で、日本語訳も出ているはずです。

成人期の追跡調査も行なわれましたが、正式の論文として発表されたかどうか僕は記憶していません。リムランド博士のニューズレターによると、回復 (recovery) を成し遂げた8人は依然として普通の成人と見分けがつかないそうです。小学校の途中で特別学級入りした一人は未だに行動上の問題を抱えていますが、自閉症の診断基準からは外れたそうです。

8人の中で最も劇的に伸びたドゥルー・クラウダー君 (仮名) は大学へ入学しました。お母さんの体験記が出版され、巻末には彼の作文も載っています。もう一人、ロバート・スミスさんはガラスはめこみ職人という危険な仕事をしておりBBCの特集に出演したので皆さんもご存じですね。

以前にも述べたことですが、ABAによる教育的な介入で能力を伸ばし、自閉症を克服した例を回復 (recovery) と呼びますが、これは医学的な意味で言う完治 (cure) とは違います。ロヴァス博士は "cure" という単語を絶対に使わないし、使うべきでないと言っています (Lovaas 2003, p. 393)。

「集中」と言うばあい、その内容も重要です。教科書として使われてきたミーブックを親たちが読んだだけで行なう介入や、ロヴァス門下の専門家による講習を受けただけではUCLA型の集中介入と言えないそうです (Lovaas 2002, p 399)。

参考資料

Lovaas, O. I. (1987). "Behavioral treatment and normal educational and
  intellectual functioning in young autistic children."
Journal of
  Consulting and Clinical Psychology
: 55. Pp. 3-9.
Lovaas, O. I. (2003.) Teaching Individuals with Developmental Delays:
  Basic Intervention Techniques
.
Austin: Pro-Ed.
McEachin, J. J., Smith, T., & Lovaas, O. I. (1993). "Long-term outcome for
  children with autism who received early intensive behavioral treatment."

  American Journal on Mental Retardation: 97.4. Pp. 359-372.
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2005年03月30日

VB: ことばと行動

ABA (Applied Behavior Analysis、応用行動分析学) というのは応用された行動分析学、つまり行動分析学の理論や技法を教育や組織運営などの実践に応用する学問です。精神病院での排泄訓練など、医療機関で行なわれてきた歴史もあるので、行動療法という名称で呼ばれることもあります。

自閉症児を対象にした教育方法として応用されるばあいは、B・F・スキナーの動物実験による研究に基づくオペラント行動の原理、つまり快感刺激の報酬によって行動を増やすことが中心でした。スキナーは動物や人間の子どもを使った実験のあと、さらに複雑な人間の行動、特に言語行動の観察研究に何十年もの歳月を費やしました。その成果は Verbal Behavior [言語行動] という著書にまとめられましたが、行動分析学を全く理解していないチョムスキーの的はずれな書評によって、言語学界からは葬られてしまいました。このあたりの経緯は『行動分析学入門』という書籍で分かりやすく説明されています。

オペラント行動の理論に基づいて自閉症児に言葉を教えるにしても、言葉のように複雑な体系を順々に教えていくばあい、どういう言語観に基づくかによって、教える手順は大きく違ってきます。ABAで言葉を教えるなら、スキナーの言語行動理論に基づいて教えると良いだろうと考えたのは、ジャック・マイケル先生 (Ph.D) をはじめとするウェスタンミシガン大学の行動分析学者たちです。この人たちは20年以上に渡る試行錯誤によって、この理論に基づく教授法を具体化してきました。それが AVB (Applied Verbal Behavior、応用言語行動)とか、VBと呼ばれる方法です。具体的な方法を示したVHSヴィデオ Teaching Verbal Behavior や、くわしい教科書も発売されています。

米国では専門家の直接指導によってこの方法を始める家族も沢山いますが、日本でこの方法について勉強するには、英語の書籍を読むしかありません。標準的な教科書とされているのが Teaching Lanugage to Developmentally Disabled Children です。この本には、子どもの言語行動の発達を細かく把握するためのチェックリストがついているので、一人一人に合わせたプログラム (IEP) を組むための役に立ちます。

上級用のカリキュラムとして使われているのが The Assessment of Basic Language and Learning Skills 通称ABLLS [エイブルズ] です。この本はロヴァス系の行動分析学者たちにも使われているようです。

VBは21世紀に入ってから米国の親たちのあいだで評判になっており、二つの集団を比較して効果を確認した論文もあるようです。日本でも一部のお母さんたちが密かに勉強して実践していますが、日本の大学でABAを教えているような専門家でこの方法を話題にする先生が少ないのは不思議です。TEACCH派の先生方からも、もっと注目されて良いはずの方法です。

[以下は論文の要旨です。勿論、要旨を読んだだけで鵜呑みにしてはいけません。]


上記の教材は、開発元であるBehavior Analysits, Inc.から直接購入することもできますが、DRLの方が速く届くかも知れません。


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2005年03月24日

ベッテルハイムの伝記

この書評は2002年に書いて、あるネット会議室に投稿したものです。―iRyota

自閉症の原因は親に冷たくされたトラウマ、というのが自閉症心因説です。この仮説を支持していた学者は沢山いたそうですが、これを世間に流布させるうえで最も大きな役割を演じたのが、シカゴ大学教授で大学付属のソニア・シャンクマン・オーソジェニック学校(養護学校)の校長をしていたブルーノ・ベッテルハイムです。

ベッテルハイムは、ナチスの収容所における極限状況の心理や、情緒不安定症、メルヘン研究、子育てや精神分析学の本でも有名で、日本の大学では卒業論文などでしばしば引用されます。

もともとユダヤ人としてオーストリアに生まれ、フロイトのいたウィーン大学に入学してから14年後に学位を取り、収容所生活を経験して米国に渡りました。収容所体験を基にした論文が学会誌に載って注目され、大学の名物教授だった時期にはTVの子育て番組に何度も出演し、ドキュメンタリー映画も製作され、ベッテルハイムを記念した賞も設けられ、名誉教授として華々しく引退しました。

1990年に86歳で自殺したときには、かつて虐待されたという教え子たちからの投書が沢山の新聞や雑誌に載り、世間を驚かせました(Rimland 1990)。ただし、投書した人たちのほとんどは養護学校の卒業生で、投書の内容を疑問視する人も少なくなかったようです。

今回、そのベッテルハイムの伝記を読みました。題名は The Creation of Dr. B [ドクターBの創造] です。著者は、養護学校に寄宿していた自閉症の弟さんがいて、ベッテルハイムと面会したこともあるというジャーナリストの Richard Pollak [リチャード・ポラック] さんです。

続きを読む
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2005年03月19日

DRL: 教材の通販ならここ



自分たちの子どもが自閉症だと分かったとき、米国人の教育学者に薦められて英語の情報を集め、まずABAの評判を聞きました。Amazon.comで注文したら、ABAの書籍は専門書あつかいらしく、なかなか届かなかったり、在庫なしと表示されてあきらめたりしていました。

そのうちに米国のメーリング・リストで書籍購入の話題が出て、自閉症児むけのABA書籍や教材を専門的に扱っている通信販売の店のことを知りました。ジュリー・アズマさんという親のかたが始めた Different Roads to Learning (ディファレント・ローズ・トゥ・ラーニング)、通称DRLです。学問に王道なし、でも色々あるということでしょうか。

ロヴァス系の書籍や教材は勿論、RDIやVB (Verbal Behavior, 言語行動)、PECSなどの書籍・ヴィデオ・教材も充実しています。言葉を教えるための教材には、そのまま英語教材として使えそうな商品もあります。ABAや教育関係の興味のあるかたは是非、ご覧下さい。

http://www.difflearn.com/

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2005年03月13日

RDI: 社会性を育てる

21世紀になってから一部の親たちに注目されている教育方法の一つが、人間関係の発達を促すことを主眼とする Relationship Development Intervention、通称RDIです。

スティーヴン・ガステイン (Steven Gutstein) 先生は博士号 (Ph.D) を持つ心理学者として長年ABA (応用行動分析学) を実践し、子どもたちの言語や知能の向上を体験し、社交辞令を上手に言えるようになることも確認してきました。それでも、能力の高い自閉症者は孤高の人になりやすく、相手の気持ちを察知して共有するようにはならない、つまり自閉症の核心部分は変わっていないと感じるようになりました。

そこで、新しい発達心理学の成果を再検討し、乳幼児が人間関係を学びながら社会性を身につけていく過程をスモールステップ化し、親が自宅で実践できる行動療法の良さも生かしつつ、開発してきたのがRDIです。知能の発達の遅れが著しい子でも効果があり、訓練時間もそれほど長くないと言っています。

すでに注目している親は多く、NBCの特集と提携して出されたNewsweek誌の自閉症特集でも紹介されました。二つの集団を比較した臨床実験の報告も審査を通り、今年の早い時期に自閉症専門誌に論文として掲載される予定です。

http://www.connectionscenter.com/
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