2006年06月01日

タイム誌の自閉症特集: 教育的介入について

ひきつづきTime誌アジア版の自閉症特集からです。後半3頁あまりは、自閉症への教育的介入に関する二つの独立した記事から成り立っています。エイミー・ゲイナー記者の取材に基づいてクローディア・ウォリス記者がまとめた "A Tale of Two Schools" と、ゲイナー記者自身による母親としての体験記 "The Most Difficult Decision of My Life: One Mother's Journey" です。
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2006年05月25日

自閉症児の目線を追う装置と研究

ニューヨーク州ビンガムトン大学の小児発達研究所では、ヴィデオカメラを繋いだコンピュータで人の目線の動きや表情を記録するシステムを開発し、定型発達の子どもや大人と比較しながら、自閉症の子どもたちのコミュニケーション行動を調べています。

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2006年05月09日

FC:『タイム』誌の自閉症特集

Time は米国で最も発行部数の多い週刊誌として長い歴史があります。毎週発行される号で最も力を入れている記事については、それを示す絵や写真が表紙にも使われるので、最も重要な特集のことをカバー・ストーリーと言います。

Time 米国版の最新号では、カバー・ストーリーとして自閉症を採り上げています。表紙の写真と内容の一部はCNNのウェブ頁で閲覧できます。

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2006年04月23日

北アイルランド: 自閉症の診断まで3年待ち?

自閉症に伴う困難を最小限にする方法として国際的な学界などで合意が得られているのは早期集中型の教育です。具体的な方法については個人差もあるし、専門家によって意見も分かれていますが、早期集中である点と親の役割を重視する点では一致ししています。そして早期集中型の介入を始めるための出発点は、早期発見と早期診断です。このための体制が整っているかどうかは、地域によって大きな差があります。

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2006年04月22日

17歳、自閉症、バスケットボール選手の活躍

J-マックと呼ばれる男の子が、米国の自閉症関係者のあいだで話題になっています。通っている高校のバスケットボール部でマネージャーをしていたんですが、ことし2月の試合では選手として大活躍し、チームを勝利へ導きました。続きを読む
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2006年04月09日

アイルランド: ABAの継続を求める親たち

やっと予算を獲得でき、始まった早期集中介入で効果が見られたと思いきや、3月一杯で資金が尽き、介入が打ち切られるという状況を何とかしてほしいと訴える親たちがデモを行ったというニュースが、3月21日、アイルランドの新聞に載りました。

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2006年03月30日

米: アスペルガー児童に支援が必要という判決

学校の成績が良好で行動上の問題も無いアスペルガー症候群の女の子にも特別教育は必要という判決が、米国の連邦裁判所で出されました。

APを通して1月31日に配信されたニュースです。続きを読む
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2005年11月30日

上海の自閉症児たちへ日本から8万1千ドルの寄付

日本総領事館から The Shanghai Charity Foundation [上海慈善基金?] へ8万840米ドルの寄付があったという記事が11/29付けの上海日報に載りました。Shanghai Sincerity Children Convalescent's Kindergarten [上海誠実児童回復幼稚園?] という、この地域で最初に設立された自閉症児の学校でスポーツ施設の増築や用具の修理に使われるようです。

この幼稚園のジアン・リミン園長によると、中国全体で自閉症児が180万人はおり、上海には少なくとも1万人はいるそうです。この幼稚園は2003年の設立で、これまで160人の自閉症児を受け入れ、30パーセントは小学校へ入学できたそうです。現在35人の幼児に対して20人の専門家がセラピーを行なっています。

この幼稚園に務めるイー・ラン先生によると、自閉症は生涯に渡って困難が続く症候群で、症状の進行は無いけれど完治させる方法も無いそうです。

ジアン園長は11歳の自閉症男児のお母さんで、早期の対処が決定的だと述べているそうです。

Fu Yinqingさんの "Japan donates US$81,000 for autism" という英文記事に基づいて報告しました。



追加: この記事には不正確な点が数多くあるようです。以下のコメントもご覧下さい。
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2005年11月12日

Autism2005: 支援サーヴィス

この分科会で行なわれた発表は一つです。ブリュッセルとロンドンの大学で修士号を取得し、ノースキャロライナでTEACCHを学び、ベルギーで自閉症支援機関を設立したセオ・ペーテルス先生による、親と専門家の協力についてです。

内容は、親を支援する専門家の心構えと具体的な注意事項を分かりやすい言葉で説明したものです。

以下、iRyotaの考えはなるべく排除して、発表の概要を報告します。続きを読む
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2005年11月06日

Autism2005: 言語と自閉症

言語に関する分科会での発表は二つです。オランダのライデン大学イナ・ファン・ベルケラール-オンネス教授による感覚と言語とコミュニケーションに関する考察、それから米国マサチューセッツ大学ヘレン・テイガー-フラスバーグ教授による幼児期の言語とコミュニケーション不全についてです。
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2005年11月02日

Autism2005: 教育

このネット会議は10月17日から10月21日まで開催されましたが、参加者の掲示板での議論は続いています。

教育の分科会では三つの発表がありました。ジュリー・ドネリー先生 (Ph.D) による米国での教育支援について、キャロル・ラザフォードさんによる自閉症児の社交について、リタ・ジョーダン教授による教育方法の選択についてです。続きを読む
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2005年10月26日

自閉症の絵本ふたつ

定型発達の子どもたちに自閉症のことを知ってもらうために作られた絵本を紹介します。実物を取り寄せて見たわけではありませんが、表紙の画像を見ると、いずれも、英語とスペインの両方で文章が書かれているようです。

発行しているのは、コミュニケーションに困難のある子どもたちに関する書籍を出しているテキサスの会社です。


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2005年10月06日

自閉症のジャズ・ピアニストは13歳

マット・サヴェジ君は自閉症スペクトラムで、もともとカレンダーを覚えてしまうようなサヴァン能力がありました。ただ、聴覚や触覚の過敏がひどかったのでARIのリムランド先生に相談して、ご両親はGFCFダイエットや言語訓練、聴覚統合訓練などを実施してきました。

2度目の聴覚統合訓練を受けてから調子が良くなり、ピアノを始めました。楽譜の読み方などは自然に覚えていました。街のお祭に家族で出かけたとき、たまたま空いていた舞台でピアノに向かって座り、急にジャズを弾き始めたそうです。その後、大人のベース奏者とドラム奏者の協力を得てレギュラー・トリオを結成しました。

親のかたが始めたサヴェジ・レコードからCDを発売し、バードランドやブルーノートの様な名門ライヴハウスで自作曲やスタンダード曲を演奏し、歌手のチャカ・カーンさんと競演するなど、ジャズファンを驚かせています。

今は社交の作法や、音楽以外の勉強にも勢力を注いでおり、地理の物知りコンテストで全米一位に輝いたこともあります。

サヴェジ・レコードのホームページは画像が多いので、英語を読めなくても楽しく閲覧できます。


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2005年10月03日

早期集中型のABAで正常機能を獲得したジェイク君

もともと赤ちゃんなりのコミュニケーションができたジェイク君は、ある時期から無口になり、物を指さして名前を覚えるような行動も消失し、2歳の誕生日には、やってきた友達とのコミュニケーションも皆無になっていました。その後、正式に自閉症と診断が出てすぐ、ABAに基づく週40時間の訓練を2年間おこないました。

ABCニュースを通して発表された今回の記事によると、ABAは専門家たちのあいだで、自閉症に対処する方法の「ゴールド・スタンダード」と呼ばれているそうです。非常にお金がかかり大変な方法で、早期に始まることや、資格のある専門家の協力が必要だとも述べています。

9歳になったジェイク君の写真も公開されています。



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2005年09月20日

FC実践者の主張

ファシリテーテッド・コミュニケーション (FC) を米国で推奨してきたダグラス・ビクレン教授が大学の学部長に就任するに当たって、沢山の専門家が否定的な声明を出したことは既にお伝えしたとおりです。

それに対してビクレン教授側から反論があったかどうかは聞いていませんが、FCがどういう方法であるかを伝える教授の文章は大学のネット頁で以前から公開されています。題名は "Facts about Facilitated Communication" [FCに関するいくつかの事実] です。内容を簡単に紹介してみます。続きを読む
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2005年09月14日

オンタリオ: ABAを求めて親たちがオタワで決起集会

米国に続いてカナダの親たちがABAによる早期集中介入を学校や自治体に要求し、各地で訴訟が起きています。オンタリオ州のばあい、自閉症児を対象にしたABAの対象が6歳まで、つまり6歳を過ぎると介入が中止されてしまうことに不満を持っている親たちが運動をしてきました。この問題に対する答えを見つけることを選挙公約の一つに掲げたドルトン・マギンティさんは当選し、今はオンタリオ州の首相ですが、選挙時の公約を実行していないと親たちは言います。

さらに親たちを怒らせている問題があります。オンタリオ州の最高裁は、6歳でABAが中止されるという州政府の方針に対して差別的だという判決を過去に出しているのですが、その判決に対して州政府は異議申し立てをしているのです。公約を果たさないどころか、それに逆行する姿勢を見せているというわけです。

このニュースが載ったのは、カナダのラジオ局が運営している頁です。

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2005年08月07日

FCを薦める教授の学部長就任に、56の学者が反対意見

Comission for Scientific Medicine and Mental Health [科学的な医療と精神保健を支援する委員会] 通称CSMMHという団体が、この8月4日、FCに対する否定的な意見を発表しました。これは、FCを米国に紹介し、FCの研究と普及活動の先頭に立ってきたシラキューズ大学のダグラス・ビクレン教授が、大学の教育学部長に就任したことを受けて行なわれました。


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2005年05月22日

追加: 自閉症は一つの世界

番組に関する詳しい紹介がCNNの頁に載ったので、リンクを追加しました。

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2005年05月14日

自閉症は一つの世界: アカデミー賞候補の短編ドキュメンタリー


5月22日にCNNで、自閉症を扱った短編映画が放送されます。Autism Is a World [自閉症は一つの世界] という題名のドキュメンタリーです。

CNNアジアでの放送予定は以下の通りです。

5月22日 (日)
12AM ET Asia/ South America
6AM ET- Asia/ South America



長さは40分で、監督はジェラルディン・ワーツバーグさん、ナレーターはERにも登場しているジュリアナ・マーグリーズさんです。


内容は、ホィッティアー大学に通う自閉症者スー・ルービンさんの過去と現在の生活、自閉症の内面についてです。スーさんは13歳まで重度の遅れがあると考えられており、IQテストの結果はいつも29、発語は無く、自傷がありました。13歳のときにキーボードを使った対話のしかたを覚え、少しずつその内面を周囲の人へ見せるようになりました。再検査で判明したIQは133で高校は普通学級に進みました。歴史学を専攻するスーさんの大学生活、友人と支援スタッフ、物や水への拘りなど、自閉症特有の行動について本人の文章で解説されます。

この作品は2005年の1月、アカデミー賞の短編ドキュメンタリー部門にノミネートされました。

5月には米国自閉症協会 (ASA) のメディア優秀賞も獲得しました。

作品のヴィデオは米国にある16000の図書館で所蔵される予定です。


この映画の中でスーさんが行なっているのはファシリテーテッド・コミュニケーション (Facilitated Communication)、通称FCという方法です。FCは一種の筆談です。指先の制御が不確かな自閉症に対して、介助者が手を添えて、キャノンのコミュニケーターという機械などを使って文章を書かせます。

FCの効果については90年代にセンセーショナルな報道がありましたが、たびかさなる実験でもその効果が証明できず、学会でも否定的な扱いを受けました。その後は地道な実践も続いていたようです。

FCについては『自閉症児イアンの物語』という書籍が参考になります。筆談に関しては日本での実践を紹介した『僕が自閉語を話すわけ』も興味深いです。


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2005年05月09日

ドナさんの色つきレンズ

LD (learning disabilities, 学習困難症) の一種でディスレキシアという症候群があります。日本語では難読症とか読字困難症と呼ばれます。特徴は、視力と言語性IQが正常でも文字を読むことが困難なことです。現在の米国大統領や、俳優のトム・クルーズさんもディスレキシアであることが知られています。

ディスレキシアの人の中には、特殊な色つきレンズを使うことでこの症状を克服できる人もいます。心理士のヘレン・アーレンさんが偶然に発見し、研究・検査、それにサングラスの開発を続けています。俳優もマーゴ・ヘミングウェイさんなどもここのサングラスを使っていると、アーレンさんの著書には書いてあります。

この種のレンズが自閉症者の一部でも効果的であることを発見したのはドナ・ウィリアムズさんです。ドナさんと、自閉症の友人たちのレンズ体験は『ドナの結婚』に書かれています。

現在ドナさんが愛用し、自閉症の人たちにも推薦している唯一のレンズ会社はBPIという会社だそうです。検査と購入に費用のかかるアーレン研究所に比べて、BPIは60ポンドでテスト・キットを購入でき、自宅で検査でき、サングラスも一組10ポンド程度で購入できるからです。

ドナさんの頁にある文章は視覚の問題とヴィタミンや腸内菌、ダイエットとの関連性についても触れています。

BPIは日本にも代理店があるので、電話で問い合わせてみることもできるようです。国際電話の番号は、最初の81を0に置き換えれば、国内通話の番号になるはずです。
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