2005年11月30日

上海の自閉症児たちへ日本から8万1千ドルの寄付

日本総領事館から The Shanghai Charity Foundation [上海慈善基金?] へ8万840米ドルの寄付があったという記事が11/29付けの上海日報に載りました。Shanghai Sincerity Children Convalescent's Kindergarten [上海誠実児童回復幼稚園?] という、この地域で最初に設立された自閉症児の学校でスポーツ施設の増築や用具の修理に使われるようです。

この幼稚園のジアン・リミン園長によると、中国全体で自閉症児が180万人はおり、上海には少なくとも1万人はいるそうです。この幼稚園は2003年の設立で、これまで160人の自閉症児を受け入れ、30パーセントは小学校へ入学できたそうです。現在35人の幼児に対して20人の専門家がセラピーを行なっています。

この幼稚園に務めるイー・ラン先生によると、自閉症は生涯に渡って困難が続く症候群で、症状の進行は無いけれど完治させる方法も無いそうです。

ジアン園長は11歳の自閉症男児のお母さんで、早期の対処が決定的だと述べているそうです。

Fu Yinqingさんの "Japan donates US$81,000 for autism" という英文記事に基づいて報告しました。



追加: この記事には不正確な点が数多くあるようです。以下のコメントもご覧下さい。
posted by iRyota at 05:52| Comment(5) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。上記の上海にも自閉症専門の場所があるとshanghai dailyを拝読して初めて知りました。 現在上海在住で、自閉症に関する情報を得たいと考えていますが、なかなか集まりません。この幼稚園の連絡先がもしおわかりでしたら、教えていただけませんか? 私は日本で自閉症の子供に携わっていました。現在もこちらで、なんらかの形で自閉症の子供達と関っていきたいと思っています。
Posted by しづえ at 2005年12月07日 13:54
中国語にうといので確証はありませんが、上海の星雨儿童康健院のことかもしれません。

ホームページです。
http://www.shanghaiautism.com/

以下のリンク先の頁の1番下に、ところ番地、電話番号、メールの宛先もあります。

http://www.shanghaiautism.com/web/xyzl/index.asp
Posted by iRyota at 2005年12月07日 22:51
JIJO様
 東京学芸大学博士課程の呂 暁丹彡(ろ しょうとん)と申します。中国における自閉症児に関する記事を取り上げていただき、中国の自閉症児教育を研究している私にとって何よりありがたいことですが、正確な情報を皆様に伝えてほしかったのです。そのため、以下のことを言わせていただきます。

@「上海誠実児童回復幼稚園?]」ではなく、施設の正確な名前は「上海星雨康健院」です。

A「この地域で最初に設立された自閉症児の学校でスポーツ施設の増築や用具の修理に使われるようです。」
 ではなく、上海市に最初に設立された民間自閉症児療育施設です。「スポーツ施設の増築」ではなく、自閉症児の療育内容によって、個別教育訓練や物理的構造化環境が必要のために現在の施設を改築したり、機材を増加したりします。

B「この幼稚園のジアン・リミン園長によると、中国全体で自閉症児が180万人はおり、上海には少なくとも1万人はいるそうです。」
 幼稚園ではなく、民間自閉症児療育施設です。院長先生蒋俐敏さんが言ったかどうか分かりませんが、中国における自閉症児者の総数については政府統計などが全くないので不明であるが、関係者の間では国内の自閉症児者数は40万から60万人であると根拠を明確に示すことなく語られることが多い。しかしこの数字はあまりに少ないといわざるを得ない。自閉症の発病率は「せまい意味で(典型的な)自閉症は、児童1,000人に約3人いるといわれ、広汎性発達障害(PDD)あるいは自閉症スペクトラム障害(ASD)も含めると、児童100人に約1人」といわれるが(日本自閉症児協会(2004)『自閉症の手引き』、p.5)、それにしたがえば人口13億以上の中国(2004年末中国国家統計局発表)では、自閉症スペクトラムの障害児者は1300万人以上(うち典型的な自閉症児者は390万人以上)となります。上海市の常住人口は1742万人、上記の発病率で推算すると、上海市に住む自閉症児・者が5万人強がいます。

C「現在35人の幼児に対して20人の専門家がセラピーを行なっています。」
 35人という人数は合っていますが、専門家によりセラピーを行うのではなく、短期間の教師養成を受け、先生になったスタッフ達による教育訓練を行っています。中国には長期自閉症児の行動訓練を渡ってベテランの先生がいますが、自閉症児教育専門家がいません。そのために今は私が「中国自閉症児教育支援会」を作り、活動をしております。

 正直に言うと、ひとつの記事にこんなに間違った情報が載せられているのは反省すべきだと思いますが、ただ、中国本土における自閉症教育関係の情報さえミスだらけであります。ですので貴社の責任と言い切れないと思っております。ただ、これから中国の自閉症関係の情報に着目していただくことにたいして、もっと慎重になっていただいたほうがいいという私からの提案です。
 失礼だと思いながら、感想と意見を言わせていただきました。
 呂 暁丹彡
Posted by 呂 暁丹彡 at 2006年01月31日 13:35
呂暁丹彡様

「上海誠実児童回復幼稚園」というのは、上海日報英語版に載った記事をもとにこちらで推測したもので、特に「誠実」という箇所など、おっしゃるとおりこちらの間違いです。お詫び申し上げます。

「幼稚園」という表現は、上海日報で "kidergarten" と表現されていたことをふまえて使いました。「スポーツ施設」と「20人の専門家」「180万人」「上海には少なくとも1万人」という箇所も、JiJoの意見ではなく、あくまで上海日報にこう書いてあっただけであり間違いの可能性もあるという文章にすべきだったかもしれません。

「スポーツ施設」「180万人」「上海には少なくとも1万人」という情報は、中国のかたが運営していると思われる別のネット新聞にも同じことが日本語で書いてありますが、JiJoとしては呂先生のおっしゃることの方が正しいと考えています。

http://jp.eastday.com/node2/node3/node17/userobject1ai19573.html

いろいろとご忠告をありがとうございます。JiJoとしては慎重かつ積極的に活動していくつもりです。

呂先生と中国自閉症児教育支援会のご活躍を期待します。
Posted by iRyota at 2006年02月01日 07:50
JIJO様
 丁寧なご返事を頂き、ありがとうございます。そちらの事情はよく承知しているつもりです。
 昨日少し上海星雨康健院の院長蒋俐敏さんと電話で話をしたところ、JIJO様がご覧になった記事を書いた記者の方は、援助資金の受け皿である上海市慈善基金会のみにインタビューを行い、上海星雨康健院の実質までは良く分かっていない可能性があります。
 中国では自閉症に対する認識がかなり遅れています。また障害として認められていないため、自閉症児をもつ家庭がさまざまな困難を抱えています。私は8年をかけて、中国の自閉症児をもつ家庭のストレスとニーズを研究してきましたが、実態を知りながらも何もできないのが最大の悔やみです。
 これからもJIJO様が中国の自閉症に関する記事を取り上げていただき、一人でも多くの人が中国における自閉症児教育問題を知っていただけば幸いだと思っております。今後も多くの中国自閉症に関係する記事を楽しみにしております。
Posted by 呂 暁丹彡 at 2006年02月03日 14:33
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック