2005年11月27日

コクラン: ニューヨークの新聞報道

MMRワクチンの安全性に関するコクラン共同計画の発表をさまざまな報道機関がどう採り上げているか、数回に分けてお伝えしています。今回は米国のニューヨーク市とその近隣で発売されているNewsday [ニューズデイ] という日刊新聞のネット版に載った記事です。

"Vaccine-autism nexus denied" [ワクチンと自閉症の関連否定される] という見出しの下には、"Still, skeptics say 31 studies cannot rule out a connection between the shots and the onset of diseases" [それでも31の研究は注射と発症に何らかの関連があることを完全否定できないと懐疑派は主張] という小見出しがあります。基本的には関連性が無いという立場で、両論併記というわけです。

この報道では "no credible evidence" [信頼できる証拠は皆無] という様に、主要な表現に引用符をつけ、記者の判断ではなくコクラン委員会の見解をそのまま伝えるという形式になっています。

コクラン発表の共著者であるトム・ジェファソン博士の言葉 (談話?) をそのまま引用しています。"We found no evidence that giving MMR causes Crohn's disease and/or autism in the children that get the MMR," [MMRワクチンを受けた子どもたちにおいて、このワクチンがクローン病や自閉症の原因になるという証拠を私たちは全く発見できませんでした]。

ただし、その直後にはこうも言っています。"That does not mean it doesn't cause it. It means we could find no evidence of it" [このワクチンが自閉症やクローン病の原因にならないと言っているわけでありません。発症の原因となる証拠を私たちは全く発見できなかったと言っているのです。] つまり100パーセント否定できたわけではないという立場です。

それでも "We don't think there is any point in further investigating the association. ... The controversy should be put to bed." [この問題についてさらなる調査をする意味があるとは思いません...もう終わりにすべきです] という引用があるので、ほぼ決定的な結論だと言いたいようです。

今回の発表ではそれ以外に発熱やひきつけなどの副作用があること、MMRワクチンを接種してから自閉症状が出てきた例を沢山知っているという自閉症関係者の言葉、一人一人の患者を充分に調べず総人口調査の結果を重視して結論を出すことに批判的なバーバラ・ロウ・フィッシャーさんの意見などもNewsday.comの記事は採り上げています。



さて、きょうまで紹介してきた報道は、コクラン・レビュー委員会による談話や、さまざまな関係者への取材に基づく記事でしたが、実際の発表要旨には触れていません。要旨を読んだ新聞記者がこれをどう報道したのかは、またの機会にお知らせします。

posted by iRyota at 08:50| Comment(0) | TrackBack(1) | MMRワクチン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2005-11-27 17:15
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