2005年11月19日

ショッキングな広告: 新路線に対して

きのう紹介した Getting the Word Out [この言葉を社会へ] という米国自閉症協会の新路線頁に対して、この新路線を強く意識した個人による頁が Getting the Truth Out [この真相を社会へ] です。玄関の頁が表示されたら "Enter" を選んで奥へ入って下さい。そこから先は "Next" を選ぶことで進んでいけます。



自閉症協会と違い、個人が製作・公開している頁ですが、こちらの方が内容は興味ぶかいです。青年期か成人と思われる自閉症の女性の白黒写真に文章の解説が付き、保護者の立場としてそれがいかに悲惨な症候群であるかが、まず説明されます。自傷対策のヘルメット、会話のかわりに使われるコミュニケーション用の機械、寝転がって小さなブロックに見とれる様子、何時間も座ったまま何もしない様子、幼い頃の様に膝をたてて座り、おむつが見えている様子、さまざまな療法を行なったけれどいまだに自閉症で、手をひらひらさせる様子が示され、この厳しい現実を世間に伝えなければという訴えが述べられます。

そして、音声言語を使えない自閉症者の内なる声を説明する頁に入ります。ここから先は意外な展開となります。いわゆるネタバレですからご注意ください。



それまでいかにも重度の自閉症という感じだった女性が、背筋を伸ばし、カメラ目線で読者に向かいます。そして、ここまで使われてきた写真がもう一度しめされ、本人からそれぞれの行動や姿勢の理由が説明されます。両目を手で覆い隠すのは、聴くことに集中するために必要な動作であること、ヘルメットや機械もそれ自体は道具にすぎないこと、おむつの必要な大人も沢山いることが文章で語られ、素早い手つきで機械を操作する映像も示されます。その機械を使って表現されている内容は、困難をかかえた人たちの人権やプライヴァシーを尊重して欲しいという訴えです。

これらの頁は、写真の中の女性が自分で文章を書き、説明しているらしいと読者は感じ始めます。

寝転がってブロックに見とれる姿も、安楽椅子で本を読むのと同じ意味を持つ行動だし、じっと座っているのも睡眠と同じように必要な行動だと言います。自分を理解してくれない人に対して攻撃的になることもあるそうです。

米国自閉症協会の宣伝頁で使われている写真には、
自閉症とは無縁のモデルにポーズをとらせて撮影した写真
を白黒に変えただけという例もあると主張し、その実例も見せてくれます。

それに対して、自分の頁で使われている写真は全て自閉症である本人の写真であると主張します。

又、完治させる可能性を語る人も、悲観的な将来を語る人も、自閉症者を人並みと扱っていない点で、この女性から見れば同じだそうです。

脚を叩いて無理に目線を合わせさせる様な訓練も経験したそうです。

それでも、この女性の両親は彼女のことを別の誰かになって欲しいと望んでいなかっただけ、幸運だったかもしれません。

さらに、IQが高くて社会的支援が得られないために苦労している例など、この女性以外の例も数多くあげ、問題は制度にあると結論づけます。

当事者の内なる声に耳を傾けず、当事者に人並みの敬意をはらうことも忘れ、当事者以外で物事を決定しようとしたり、さまざまなレッテルをはることでその人の本当の姿が見えなくなっている状況に対する抗議の意思表示が、この Getting the Truth Out です。

末尾には掲示板もあります。

http://www.gettingthetruthout.org/

posted by iRyota at 14:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/9519069
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。