2005年11月13日

てんかん発作を減らす補助食品とダイエット

定型発達の子どもたちに比べて自閉症の子どもたちは、てんかんの発作が多く、これも自閉症と何らかの関係があると推測されています。薬物で発作を減らせることもありますが、副作用もあるし、効果も100パーセントを保証できるわけではありません。予防のためになにができるか考えることは重要です。

ヘルスセンチネルというネット新聞に、この種の発作を減らす効果を期待できるサプリメントや食事に関する記事が載りました (Roman Bystrianyk, "Stopping epileptic seizures using omega-3, vitamin E, diet, and more", Health Sentinel, October 20, 2005)。

脳波の状態が非常に悪く、発作が頻繁に起きるばあいに考えられるのはケトジェニック・ダイエットという方法ですが、これについてはくわしく書いてありません。

オメガ3 (46% DHA, 18% EPA, 1% アルファリノレン酸) という種類の必須脂肪酸が成分の65パーセント、それにヴィタミンEを100単位加えてある食品を使った実験の報告がEpilepsiaという専門誌に載っているそうです。この食品を朝食のパンに塗るような形で毎日摂取させ、それを6ヶ月続けた報告です。被験者は5人だけです。結果は2・3週間に1度の大発作が0になったり、6から8週間に1度の大発作が0に、あるいは1・2週に1度の大発作が月1に、1・2週に1度の大発作が0に、毎週14度の大発作が週3度になるなど、明確に効果が見られています。深刻な副作用はなかったそうです。Seizureという専門誌に載った記事でも、オメガ3のような必須脂肪酸が重要だと言っているそうです。

ヴィタミンEが発作を減らすことは動物実験で確認されています。やはりEpilepsiaに載った論文で、24人の患者を対象に400単位を3ヶ月投与した二重盲験では発作の回数や脳波で改善が確認され、期間をすぎてもヴィタミンE摂取を続けた患者には効果が見られているそうです。

Canadian Journal of Neurological Sciences という専門誌に載った調査報告では、大発作のある子100人と発作の無い子100人を比較し、発作のある子どもたちは血液中のヴィタミンEが低かったそうです。

ヴィタミンB1 (チアミン) は高齢者に不足しやすい栄養素で、この不足も発作を誘発しやすいようです。European Neurology という専門誌に載った報告では、B1の不足している50人のうち16人でてんかんの兆候が見られ、そのうち11人はB1不足が激しかったそうです。B1の投与で10人は発作が完全に消えました。

Epilepsy Research という専門誌に載った大人のてんかん患者72人の二重盲験では、50ミリグラムのB1と5ミリグラムの葉酸を6ヶ月間投与し、IQ、それも言語性と非言語性の両方で向上が見られたそうです。

ヴィタミンB6はGABAの生成に必要です。GABAは神経の電気信号を抑制し、発作をおさえます。Epilepsy Research に載った報告では、処方薬で発作を抑えられなかった8歳児で、80ミリグラムのB6を静脈注射して発作がとまり、脳波も正常になり、血液中のGABAも欠乏状態から正常に近づいたという例があります。

Pediatricsという小児科の専門誌に載った報告でも、B6投与で発作がとまり、B6中止で再発した例がいくつかあります。B6が危険だと思って中止したら発作が再発し、B6の再開でおさまった例もあります。

セレニウム (セレン) はグルタチオンの生成に関わります。グルタチオンは脳内の電気信号による酸化ストレスを減らします。Neuropediatricsという小児神経科の専門誌に載った報告では、セレンの経口投与で発作がとまり、脳波の改善やグルタチオン不足の解消が見られた例がいくつかあります。

カルノシンはペプチドの一種で抗酸化作用があります。GABAの生成にも関わります。Neuroscienceという専門誌の載った報告は自閉症スペクトラムの子どもたち31人を対象に1日800ミリグラムのカルノシンを8週間投与し、音声言語の理解や社会性、行動の改善が見られました。

今回はここまでにしますが、もとの記事はまだ続きます。その分も近日中に日本語で報告もうしあげます。発作を増やす食品や甘味料についてです。




posted by iRyota at 09:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 生化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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