内容は、親を支援する専門家の心構えと具体的な注意事項を分かりやすい言葉で説明したものです。
以下、iRyotaの考えはなるべく排除して、発表の概要を報告します。
自閉症を完治させる方法は無いという立場で、それを正直に告げることが必要だとぺーテルス先生は考えています。ただし、親がショックを受けないようにジェントルな方法で行なうことが大切で、「自閉症」というレッテルに拘るべきではないとも言っています。
診断、告知、発達の度合いを調べる作業、その子と親に合わせたプログラムの作成、親に対する物的・精神的な支援などを丁寧に解説しています。教育の方法はABAが基本で、長時間の訓練は行なわないようですが、家庭で実施することを重視しています。何よりも親の観察に基づいて、一人一人の詳しい「ユーザーズ・ガイド」を作成し、それを保育施設でも使います。
特に目新しい情報はありませんが、長年の経験に基づいた実践的な方法が丁寧に紹介されています。親と教師の交換日記や、親同士の交流会など、日本で昔から実践されている方法もあります。環境の構造化、スケジュールや視覚支援などの方法が有効でも万能ではないことを親に伝えることも必要だそうです。
しめくくりとして、ペーテルス先生は自殺に至らない方法を示します。それは、解決策の無い問題もあるということを認め、受け入れることだそうです。どんな問題にも解決策はあると考えるのは「アメリカニズム」という病気なのだそうです。