2005年11月08日

Autism2005: そのほかの理論

この分科会で行なわれた発表は三つです。オルガ・ボグダシーナ先生による自閉症児の感覚について、ユータ・フリス教授による認知について、サイモン・バロンコーエン教授による超システム化傾向についてです。

ボグダシーナ先生は自閉症児の教育で修士号、言語学で博士号を取得し、今はウクライナで自閉症協会の会長です。英国バーミンガム大学の客員講師で、英国における相談の仕事もしています。自閉症児の感覚は単に過敏なわけではなく、感覚と認識のしかたそのものが違うとボグダシーナ先生は言います。認知や対人関係にあらわれる自閉症の特徴も、そういう感覚の結果に過ぎないのかもしれません。そして、その特徴を抑えるのではなく、特徴に沿った教育と支援をすべきだと主張します。

フリス教授はドイツのザールブリュッケン大学で実験心理学を学び、今はロンドン大学の教授です。自閉症の生物学的な研究と行動科学的な研究の橋渡しとも言うべき認知科学的研究において自閉症の仕組みを探ります。心理学におけるさまざまな理論 (仮説) を検討すると、どれも自閉症に見られる特徴の一部を説明できるそうです。子どもたちがその成長・発達によって変わっていくことも視野に入れる必要があります。そして、最終的には生物学的な原因を確かめないと、自閉症に関する適切な理解は得られないと考えています。

バロンコーエン教授はケンブリッジ大学で心理学を教えており、沢山の著書があります。誰にでも、物事をシステムとして理解する傾向はありますが、自閉症の人はそれが極端に強いと、主張します。アスペルガーの人たちに作業試験をさせた結果を見てのことです。この傾向は女性より男性に顕著です。飛行機による移動が普通に行なわれる時代となり、自閉症には該当しないけれどもシステム化傾向の強い男女が出会って結婚することが増え、結果として自閉症も増えたとバロンコーエン教授は推測します。


posted by iRyota at 08:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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