この種の薬で自閉症者に処方されることが多くなっているリスパダール (リスペリドン) について今年の5月、6月、7月に、少しずつ違った内容の記事がネット上で発表されました。読み比べてみると興味ぶかいです。
5月の報道は、自閉症の処方薬としてリスパダールの認可を申請していたジョンソン・アンド・ジョンソン社に対して、FDAがこれを却下したことです。この発表に影響されたか、ジョンソン社の株価は3セント下がりました。
6月の発表は、リスパダールの臨床実験を報告した論文の要旨です。論文自体は精神医学の専門誌に掲載されました。自閉症のさまざまな症状のうち、その中核とも言うべき症状に対するリスパダールの効果を中期的にわたって調べた物です ("Risperidone for the core symptom domains of autism: results from the study by the autism network of the research units on pediatric psychopharmacology")。こだわりに対して有意の効果があったけれども社会性に関して有意な改善は見られなませんでした。
7月のは、上記と同じ調査の結果を記者会見として公開したものです。対人関係には変化がなかったけれど、こだわりや攻撃行動が軽減され、危険な副作用もなかったという点が強調され、安全で効果的とされています ("NIMH Study Finds Antipsychotic Risperidone Safe, Effective As Intermediate Term Treatment For Autism")。危険な副作用は体重の増加ぐらいだそうです。
しかし、長男は異常な体重増加やむくみ、女性化乳房などが現れましたので中止しています。(成人の場合、性欲減退とともに問題になっていますよね)
次男は排泄障害の副作用にかなり悩まされ、適量がなかなか見つかりませんでした。ただ、飲んでいることで落ち着くという点では、対人関係に間接的に関与されているんだなと思いました。