BALとペニシラミンについては危険すぎるので論外とさせていただきます。米国で自閉症児たちにキレーションを行なっている代替医学系のお医者さんたちでも、BALやペニシラミンを使っているという例は聞いたことがありません。
EDTAはカルシウムや亜鉛などの必須ミネラルを流出させます。このキレート剤は鉛中毒や動脈硬化に対して効果的ですが、水銀に対して効果的ではありません。
DMSAでカルシウム、鉄、マグネシウムなどの流出は有意に増えません。ただし、亜鉛の流出は2倍になります。亜鉛を充分に補給しつつ、適切な方法で少量投与を行なう限り、内臓を傷つけるような危険は無いと思います。処方薬として米国で販売されているDMSAの商品名は "succimer" と "Chemet" です。
アルファリポ酸、別名チオクト酸は、亜鉛と銅の流出を減らします。DMSAと併用することで、亜鉛不足の危険性をより減少させ、より効果的に水銀を排出できるはずです。チオクト酸に関しては日本語の古い文献も沢山ありますが、英語の資料へのリンクも一つ示しておきます。