今回の発表は州政府の発達サービス部門からです。自閉症児として特別教育の対象となっている3歳以上の子供たちが何人いるかを年ごとに調べてきたものです。2002年に追加された自閉症児の数は3259人でしたが、2003年の追加は3125人で、2004年は3,074人でした。2005年の1月から6月までの期間では1,470人で、2004年前半の1,518人より減っています。
この記事が載ったのは『ロサンジェルス・タイムズ』です。予防接種に使われている水銀の量が減らされたせいではと一部の親たちが考えているのに対し、連邦政府の機関がその関連性を否定する発表をしたことにも触れています。
デヴィッド・カービーさんは『ハフィントン・ポスト』というネット新聞で、カリフォルニアから出されたこの報告について論じています。
カービーさんによると、カリフォルニアで毎年行なわれているこの調査で対象になっているのは、DSM4の診断基準に合致する自閉症、つまりアスペルガーなど軽度のタイプを含まない、厳密な意味での自閉症児だそうです。つまり、このデータに関する限り、自閉症の診断基準が広がったせいで90年代に増えたという仮説は当てはまらないというわけです。
乳児用の予防接種に入っている水銀を徐々に減らし始めたのは1999年で、この時期に生まれた子供たちから自閉症も減り始めていると考えることができるそうです。
勿論、これだけで水銀と自閉症の因果関係が証明されるわけではありませんが、水銀説を唱えてきた人たちの予想したとおりの展開ではあります。
付記: この調査は州政府の機関やそれぞれの学校に依頼された専門医による診断結果らしいですが、あくまで就学している自閉症児の数を報告したものです。