さらに、オムステッドさんは、フロリダの医師で敬虔なクリスチャン、自閉症児の父親でもあるジェフ・ブラッドストリート博士に取材し、さまざまな理由で予防接種を受けず、学校に行かずに家庭で教育を受けている子供たちのあいだでも自閉症児を滅多に見かけないという話を聞きました。
さまざまな理由で子供を学校に行かせず、義務教育を家庭で行なうことを米国ではホーム・スクーリングと呼びます。(エデュケーションという単語は「学校へ通う」という意味で使われることが多いので、家庭教育のことをホーム・エデュケーションとは呼びません。)
今でも18世紀の生活様式を続けているアーミッシュは別ですが、米国では予防接種を就学の条件としている地域が多いです。血液の抗体検査などで証拠を示したり、宗教上の理由という申し立てによって免除される地域もあります。
ただ、その種の免除が通らない地域もあるかもしれません。予防接種を受けない子が伝染病の保菌者になって学校へ来ることが歓迎されないこともあります。そういうばあいでも、親に充分なお金があって家庭教師を雇えるばあいや、親のかたが教員の免許を持っているばあいなど、地域の教育委員会と相談して、義務教育としてのホーム・スクーリングが行なわれることもあります。
ブラッドストリート博士は自閉症の息子さんのほかに娘さんがおり、この子は家庭で教育を受けています。米国でこの種の家庭教育を行なっている親たちは独自の大規模な情報網を持っています。ブラッドストリート博士はそういう子供たちを診察することもあるようですが、アマルガムが無く、魚を沢山たべている例を除くと、自閉症児は見たことが無いと言っています。
全米で200万人いるという家庭教育の子供たちの中で、自閉症の子がどのくらい存在するか、調べてみれば新しい発見があるかもしれません。ただし、それが予防接種や水銀と自閉症を単純に結びつける根拠になるわけではないとブラッドストリート博士は言います。それでも、アーミッシュより一般化しやすい調査とは言えます。
ブラッドストリート博士は、もともと医師として予防接種を擁護する立場にあり、これを自閉症と関連づけるような主張は認めたくありませんでした。お子さんが自閉症になり、自分で納得が行くまで調べ、いやいやながら何らかの関連があると考えるようになったので、ワクチンの会社と金銭的な繋がりを持っている機関よりは客観的だと思っているそうです。