2005年09月18日

自己免疫疾患ネズミのエチル水銀中毒

90年代に米国の赤ちゃんたちに注射されていたのワクチンに含まれていたチメロサールという水銀化合物の神経毒性を調べる実験が、コロンビア大学で行なわれ、2004年に発表されています。この実験では、チメロサール由来のエチル水銀と自己免疫疾患が自閉症に関係しているという仮説に基づいて、自己免疫疾患のあるネズミ (マウス) と、その種の疾患が無いネズミの赤ちゃんを使って実験したところ、自己免疫疾患のあるネズミにのみ水銀中毒と思われる症状が見られ、脳にも変化が発見されたことです。

この研究論文と、関連する映像をいくつか集めて見ました。

この研究が論文として専門誌に掲載される前の2004年2月、予防接種と自閉症の因果関係を検証するIOM調査委員会の公聴会でも、実験を行なったメイディ・ホーニッグ博士が発表を行ない、ヴィデオも上映されました。内容は、自己免疫疾患のある水銀中毒ネズミの自傷行為です。



このときの発表は自閉症との関連性を強調しようとして、自傷行為の映像が選ばれたのかもしれません。会場に来ていた親たちにとっては衝撃的だったようです。

IOMの委員会は、この研究を理論的な次元の動物実験に過ぎないとして、あまり重視しませんでした。2004年5月の最終答申では、予防接種の重要性を考慮し、ワクチンと自閉症との因果関係は拒否する方が好ましいという結論を出したことは、みなさんもご存じの通りです。

この答申に反論するようなタイミングで、同じ2004年6月に、ホーニッグ博士の研究は論文として専門誌に掲載されました。研究資金を提供した三つの団体の一つであるセーフマインズの頁で、論文のPDFを閲覧できます。



実験は、遺伝的に自己免疫疾患のあるネズミと、その種の疾患が無いネズミの集団をさらにそれぞれ三つの集団にわけ、一つにはチメロサールを、もう一つには、チメロサール入りのワクチンを、もう一つには比較のために燐酸塩の溶液を注射して、その後の成長と発達を観察しました。注射の時期は、米国で乳児の予防接種が行なわれる生後2・4・6・12ヶ月というスケジュールと、ネズミの中枢神経が発達する速度を計算に入れ、ネズミの生後7・9・11・15日目に行ないました。注射した水銀の量は、米国の乳児男子100人の中で軽い方から10人目に相当する体重の赤ちゃんが摂取する水銀の量を想定し、体重比でそれと同じに相当する量に設定しました。

結果は、自己免疫疾患のあるネズミの方で体の発育が低下し、環境を探索する行動が不活発でした。雄と雌での差はありましたが、あまり大きな違いではありません。事前の発表では自傷行為の映像が上映されましたが、論文の方には書いてありません。

コロンビア大学準教授で、この研究を行なったメイディ・ホーニッグ医学博士の談話ヴィデオが公開されています。長い談話を四部に分け、クイックタイム (QT) とウィンドウズ・メディア・プレイヤー (WMR) で、さらにダイアルアップを回線用の低画質ヴィデオと、高速回線用の高画質ヴィデオで閲覧できるようになっています。

1. もともと精神科医だったが、免疫学の実験室で働いた経験もあり、自閉症など精神科で研究されている症候群と免疫系の関連性を調べるための動物実験をするようになった。


2. 特定の体質のネズミに有機水銀を経口投与することで自己免疫疾患が起きることを知られており、自閉症のばあいも遺伝的に特定の体質の子供に起きるのではと考えたことなど。過去にピンク病の例もある。


3. 自閉症児の血液検査で自己免疫疾患が発見されている。今回のは動物モデルであり、臨床的な研究として解明すべきことはまだ沢山あることなど。同様に、キレーションで効果があったというだけで自閉症の原因が水銀だと断定できない。


4. 水銀の安全基準は、食べ物を通して入ってくるメチル水銀を想定した基準であり、乳児にエチル水銀を注射する上での安全基準にはならない。自己免疫疾患の治療で安全な方法が少ないことなど。今回の動物モデルが将来の予防法や治療法への一歩になれば。










posted by iRyota at 07:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 重金属 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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