『ニューヨーク・タイムズ』が発表した記事では、沢山の親たちが目撃した子どもたちの退行も、キレーションによる改善も、チメロサールと自閉症を結びつける学術的な根拠も、この仮説を支持する科学者たちの声も全て黙殺し、権威主義的な視点で結論を出しているだけだとオムステッドさんは言います。自分たちで実地調査は行なわずに証拠がないと言っているだけなのだそうです。
実際のところ、チメロサールと自閉症の関連性を否定する根拠として挙げられているのは大がかりな総人口調査だけです。予防接種をしなかった子どもたちのあいだで自閉症の発症率が同じなのかは調べていません。アーミッシュ以外にも予防接種を拒否している宗派はいくつか存在しています。そういう集団で自閉症児がどのくらいいるのかも調査されていません。
もっと基本的な話で、166人に一人というデータを認めているCDCも、それが診断基準の変化や発見率の向上による結果なのか、本当に激増してきたのか答えを発表していません。この種の重要で基礎的な問いに対して、実地調査さえ行なっていないのです。
アーミッシュの居住地域を実際に訪ね、沢山の関係者から聴き取り取材を行なったオムステッドさんですが、今回はいささか感情的かもしれません。