麻疹のワクチンが一般的ではなかった1960年代、麻疹の子がいるという話を聞きつけると、近所でまだ麻疹にかかっていないけれど健康な幼児を親たちが連れて、麻疹の子の家を訪れる麻疹パーティという習慣があったそうです。大きくなってからの麻疹は重症化しやすいので、幼いうちに自然感染で終生免疫をつけておこうというわけです。
ドナさんが自然感染で麻疹にかかったのは2歳か3歳のころですが、写真を見ると、そのずっと前から自閉症の兆候はありました。勿論MMRワクチンは受けていません。
2歳半で聴覚と白血病の検査を受けました。白血球の数が不充分でした。お腹に力を入れて咳をするのがチック症状というか拘りになっており、咳と一緒に出血もあったそうです。
10代になってまた麻疹になりました。30代でも再発し、ほかの人にもうつしてしまいました。症状がおさまってから6週間後にまた再発し、その後も小さな再発を繰り返しました。
10代のときには白血球の数がゼロに近いと言われ、何年も治療を行なった30代には白血球が少ないと言われ、嬉しかったそうです。ほとんど無い状態から少ない状態まで増えたからです。栄養医学による療法を12年間つづけ、そのうち6年間はケニヨン先生という医師のお世話になりました (www.autismmanagement.com)。その後、白血球の数が正常になってもIgAという抗体がゼロであることを知り、がっかりしました。その後、エルドン健康クリニックによる6週間の療法でこれも正常になり、病原体とは何年にもわたる戦争状態に入りました。
ウィリス・ロングフォードという人の記事によると、自閉症スペクトラムの人の2割でIgAが低く、8パーセントでIgAが皆無だそうです。この割合は、自閉症児のうちMMRに関係する割合が1割だと言うポール・シャトック先生の指摘と符合します。
ワクチンの接種率が低下して伝染病が流行すれば、ドナさんのような体質の人にとっても危険です。その一方で、ドナさんのように免疫不全のある子は、予防接種まえに発見されるべきです。唾液に分泌されるIgAの検査は、布をなめるだけでできます。これだけで、伝染病にかかったら危険な子、ワクチンも危険な子を見つけ出すことができます。
耳・鼻・喉などに慢性的な感染の見られる子どもは全て、この検査を行なうべきだとドナさんは言います。免疫不全が発見されたら栄養療法をしばらく行ない、再検査で、ワクチンに耐えられる体になっているかどうかを確認します。免疫機能が弱めの子は、混合ワクチンでなく単独ワクチンの方が良いと思われます。
総人口の中ではごく一部、自閉症児の中でも一部の子どもたちですが、見過ごさないことをドナさんは望んでいます。