2005年06月02日

自閉症、血液検査で分かりそう

4歳から6歳の自閉症児70人と定型発達児35人の血液を比較し、いくつかの違いが発見されています。カリフォルニア大学デイヴィス校で、デヴィッド・アマラル教授たちが行なっている研究です。顕著な違いとして見つかった例を挙げます。

 自閉症児のB細胞は平均して2割多い。
 自閉症児のナチュラル・キラー細胞は平均して4割多い。
 100をこえるタンパク質に明確な差がある。

B細胞とナチュラル・キラー細胞は、免疫作用の一部です。

上記の三つは発見された特徴の一部ですが、こういうデータが蓄積されれば、自閉症の診断や発見に関して客観的な手がかりが得られるかもしれません。

これまでは行動や発達面の特徴を観察するだけで診断されており、どうしても観察者の主観が入っていました。化学的な基準が分かれば、早期発見が容易になり、その分、早期教育の成果も期待できるという理由で注目されています。

今後は、出生児や乳児期の血液の比較、予防接種の前後を比較して変化の有無を確かめる研究などの可能性も検討されています。



この研究は、カリフォルニア大学デイヴィス校 (UC-Davis) のMIND研究所で行なわれている物で、5月にボストンで開かれた第4回IMFARで発表されました。

同じ発表に関して、もう少し専門的な見地から報道している記事もあります。

訂正: 上記の研究班と情報を交換しながら、同じUCデイヴィスMIND研究所の別の班が行なった調査で、自閉症児の体から採取した細胞や血液をさまざまな病原体と接触させ、主に免疫作用に関わる物質 (サイトカイン) や何種類かのペプチドに特徴的な差が見つかりました。




UCデイヴィスMIND研究所は、Medical Investigations of Neurological Disorders [神経学的な症候群を医学的に調べる] 研究所として、親たちの運動によって設立され、州政府の予算で運営されています。
posted by iRyota at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 生化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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