ダン・オムステッドさんというかたの連載がUPIを通して配信され、いくつかの新聞に載せられています。The Age of Autism という題で、内容は自閉症と水銀についてです。特に興味深いのは、18世紀から昔のままの生活をしているキリスト教の宗派として知られるアーミッシュの人たちのあいだで自閉症の人がいるかどうか調査に行っていることです。
2005.02.25 Educated guesses 高学歴の家庭に自閉症児が多かったというカナー時代の記録
2005.03.13 Backward カナーの自閉症について復習
2005.03.18 Mercury in the air 大気中に放出された水銀の量と自閉症の発生率
2005.04.18 The Amish anomaly ペンシルヴェニア州ランカスターにあるアーミッシュの村を訪ねて
2005.04.19 Julia 一人は中国うまれで、予防接種を受けてからアーミッシュの家庭へ養女として迎えられた。二人目は説得されて予防接種を受けてから自閉症の症状が出てきた。三人目は不明。
2005.04.28 A new approach エリザベス・マンパー博士による生物医学的な取り組み
2005.05.06 Letter from Ibiza 知能の高い自閉症者からの手紙、水銀論争にはふれていない
2005.05.10 Witness [目撃者、ハリソン・フォード主演の映画『刑事ジョン・ブック』の原題] ランカスター群で25年間開業している小児科医でもアーミッシュの自閉症児は見たことがない
2005.05.17 Mercury ascending IOMの2004年発表、カービーさんのルポ、CDC局長の意見など、水銀中毒説をめぐる議論
2005.05.20 Mercury and the Amish 予防接種を受けていないアーミッシュを6人発見、そのうち4人は水銀値が高かった
2005.05.23 Goshen インディアナ州ゴシェンにあるアーミッシュの村を訪ねて
2005.05.24 Heavy metal [追加しました] キレーションを支援する150組の親たちの会ジェネレーション・レスキューについて
2005.05.26 Oaklawn ゴシェンのオークローンにある精神科のクリニックで聞き取り取材、アーミッシュの自閉症は見あたらない
2005.06.02 A glimpse of the Amish さらにアーミッシュの居住地域を調べたが、やはり自閉症児は極めて珍しい。
2005.06.06 Amish ways アミーッシュ10万人のうち確認できた自閉症は10ほど。アーミッシュは自然食だがサプリメントは摂取。
2005.06.08 One in 15,000 Amish 何十年もアーミッシュの地域で診療活動をしている医師によると、この地域の1万5000人のうちで自閉症は一人だけ。
2005.06.14 Feedback on the Amish 1 読者からの反応 1
読者投稿のうち、自閉症水銀中毒説に対して批判的なものが紹介されました。
・アーミッシュは遺伝子も違うし環境も違うので比較のしようがない。
・予防接種への恐怖をあおり、接種率が低下すれば、伝染病が流行し大きな犠牲が出る。オンタリオで風疹が流行っており、これが自閉症を増やす可能性もある。
・遺伝子のこともあるし、生活の仕方やさまざまな環境因子も考慮に入れることが必要。
・もっと精密な調査をしなければ分かりません。恥を知りなさい!
・アーミッシュ同士で結婚し、子どもを作っているため、自閉症の遺伝子が外から入ってこないのでは。
2005.06.16 Feedback on the Amish 2 記事に対して肯定的な投稿
・生物学的な方法とABAで日夜がんばっている自閉症児の親として、涙なしには読めない。
・水銀汚染の激しい地域は自閉症が多いというテキサス大の研究や、過去にはピンク病の例などの証拠もあるのに、水銀と自閉症が無関係だと主張する人がいるのは疑問。自閉症の原因はほかにもあると思うが、わざわざ乳児に水銀を注射するのは狂気の沙汰?
・アーミッシュの地域の近くに住んでいるが、確かにアーミッシュの自閉症児は見たことがない。一般の地域では毎週のように自閉症児か自閉症児の親に会う。自分たちの地域のアーミッシュは、ウォルマートで通常の食べ物を買っている。
・予防接種を実施しないアーミッシュが伝染病を流行させる原因として、保健機関が調査や監視に来ないのは不思議。
2005.06.27 HHS Eyes Amish Study 保健と厚生に関する監督官庁である Department of Health and Human Services の役員が、親たちのはたらきかけに対して前向きな態度を見せている。