2005年04月23日

UCSD: 自閉症とミラー・ニューロン

10人の自閉症者の脳波を調べ、同じ年齢・性別で定型発達である人たちの脳波と比較したとき、自閉症者の方でミラー・ニューロンのはたらきが不充分であるという傾向が観察されました。

ミラー・ニューロンというのは、サルの脳に電極を差し込んで行なわれる実験の最中に偶然発見されたもので、サルが自分で動作をしているときに活動しているだけでなく、人の動作を観察しているときにも活動する部分です。模倣やコミュニケーションを行なう時に、このニューロンが何らかのはたらきを担っているのかもしれません。

実験が行なわれたのはカリフォルニア大学サンディエゴ校にある神経科学研究所です。(ただし、以前に紹介してクールシェンヌ教授の研究室とは別のグループのようです。) 博士課程に在学する大学院生リンゼイ・オーバーマンさんが実験の中心になりました。自閉症者の脳に電極をさしこむことはできないので、かわりにEEGという方法で脳波を調べました。対象になったのは、比較的IQの高い自閉症の子どもや大人、あわせて10人です。

何もしていないときに出ているミュー波が、自分で何かしているときには止まります。定型発達の人のばあい、他人の動作を観察しているときにもこのミュー波がとまります。これに対して、自閉症の10人は、自分の動作でミュー波がとまっても、他人の動作を観察しているときにとまりませんでした。

今回の発見が、将来の早期発見や教育的支援の役に立つ可能性はあります。

論文は専門誌への掲載が予定されています。米国ではいくつかの報道機関がこの報告を採り上げています。以下のリンクはUCSDの広報誌に載ったものです。


posted by iRyota at 08:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 脳と神経 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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