検討の対象となったのはABA、TEACCH、デンヴァー・モデル、フロアタイムで、数が多いのはABAですが、それぞれが基盤としている理論の違いよりも、いくつかの共通点の方にこの委員会では着目しました。成果の上がった方法の要点は以下の通りです。自閉症児の教育に関して、権威ある専門家集団のあいだで形成された合意と考えてさしつかえないでしょう。
1. 早期開始 (p. 151)
「自閉症スペクトラムに該当することが疑われたばあい、個人に合わせた細かい目標と体系的な実施計画に基づく教育を、可能な限り早期に開始すべきである」(p. 220).
2. 訓練時間に関して集中的 (p. 151)
「体系的な計画に基づき、明確な目標を定め、発達段階に適した教育活動を、最低でも週25時間、年間12ヶ月を通して行なうべきである」(p. 220).
3. 家族の役割を重視 (p. 152)
4. 自閉症に特化し、高度な訓練を受けたスタッフ (p. 154)
5. 子どもの進歩を、継続的かつ客観的に把握 (p. 156)
6. 計画的・体系的なカリキュラム (p. 158)
7. 物資・時間・人員を充分に (p. 158)
「それぞれの目標が効果的に達成されるよう、一人一人の子どもに対して毎日充分な注意が払われるべきである。充分な注意というのは、個別のセラピー、発達段階に適した少人数指導、1対1の直接指導を含む」(p. 220).
8. コミュニケーションの確立やその他の発達領域に焦点を絞る (p. 159).
コミュニケーション、課題への集中、社交的なふるまい、遊び、認知や学習技能、自助技能、行動問題、手足の運動能力 (pp. 160-163)
「非常に幼い子のばあい、ほとんどの子は訓練によって音声言語を発するようになる可能性があると仮定して教育計画を作成すべきである」(p. 221).
入念に計画され、学術的な研究に基づく教育手順には、覚えた技能を一般化・定着させ、維持するための計画が含まれる (p. 163).
9. 個別介入計画は、子どもの様々な能力とニーズに応じて幅広く補正していく必要がある (p. 164).
10. 幼児クラスから義務教育へとの移行が計画的に支援される (p. 163).
参考資料
Lord, C., Bristol-Power, M., Cafiero, J. M., Filipek, P. A., Leslie, A. M., McGee,
G. G., Odom, S. L., Rogers, S. J., Volkmar, F. R., & Wetherby, A. M., as
Committee on Educational Interventions for Children with Autism, Division
of Behavioral and Social Sciences and Education, National Research
Council. (2001.) Educating children with autism. Washington,
DC: National Academy P.
G. G., Odom, S. L., Rogers, S. J., Volkmar, F. R., & Wetherby, A. M., as
Committee on Educational Interventions for Children with Autism, Division
of Behavioral and Social Sciences and Education, National Research
Council. (2001.) Educating children with autism. Washington,
DC: National Academy P.