93年は、ロヴァス式早期集中行動介入の追跡調査の結果が論文として発表され、キャサリン・モーリスの『わが子よ、声を聞かせて』が出版された年です。この時期に、幼いお子さんが自閉症だと診断された親たちは、この方法に興味を持ち、自分たちの子どもにも受けさせることはできないかと奔走しましたが、当時の自閉症協会など、多くの自閉症関係者は、この方法に対して後ろ向きだったようです。それで若い親の人たちは自分たちで情報を交換し、資金を集め、セラピスト候補者をUCLAに派遣して勉強させたり、自治体への請願などの運動を始めるためFEATを結成しました。
そのころ新たに自閉症と診断される乳幼児の数は多く、インターネットの民間利用も始まっていたので、ネットを使える親の人たちを中心に、会員も増えたようです。レニー・シェイファーさんの担当するEメールによるニューズレターは会員外でも定期購読者が増え、後に独立してSARとなりました。
北米各地に設立されたFEATはそれぞれで連絡を取りながら独自に活動しており、本部と支部という関係ではないようです。名前も "Early" のかわりに "Effective" [効果的] という単語を使い、自閉症への効果的な介入を応援する家族の会としている地域も沢山あります。
具体的な活動としては、資料の貸し出し、学習会、寄付金集めの夕食会、地域の学校に対する請願などです。学校で自閉症児を担当する先生の中にはABAに対して否定的なかたもいるので、そういう先生に対してしつこく請願を繰り返すようなこともしています。