結果として、水銀、カドミウム、ニッケル、トリクロロエチレン、塩化ビニールの量と、自閉症スペクトラム児の発生率に相関が見られました。
この調査は、空気中に存在する水銀やカドミウムの量を測定したわけではなく、工場などから放出される量を集計しただけです。自閉症と重金属との関連性を証明する決定的な証拠とは言えません。あくまで状況証拠の一つにとどまります。何か別の要因が見過ごされている可能性もあります。
"Autism Spectrum Disorders in Relation to Distribution of Hazardous Air Pollutants in the San Francisco Bay Area."
すでに日本でも紹介された研究ですが、テキサス州で同様の結果が得られたという調査報告へのリンクも示しておきます。こちらも実際に水銀の量を測定したわけではなく、大気中に放出されている水銀の量を地区ごとに推計し、それぞれの地区で自閉症と認定されたり、特別教育の対象となっている子どもたちの数との相関を調べた研究です。
"Environmental Mercury Release, Special Education Rates, and Autism Disorder: An Ecological Study of Texas."