2006年10月24日

自閉性症候群と大気中の有害物質

サンフランシスコ湾に面する地域で自閉症スペクトラムに該当する子どもたちの分布と、大気中に放出される水銀などの有害物質の量に相関が見られるという主旨の論文が、今年の夏に発表されました。テキサス州でも同様の調査結果が見られるという論文が発表されています。サンフランシスコで行なわれた調査では、1994年に産まれた子どもたちの大規模なデータベースから、自閉症スペクトラムに該当する子ども284人と、発達に混乱の無い子ども657人を無作為に選び出し、居住している地区の分布と、それぞれの地区で大気中に放出されているさまざまな有害物質の量を推計し、相互の関連性が無いかどうかを確かめました。

結果として、水銀、カドミウム、ニッケル、トリクロロエチレン、塩化ビニールの量と、自閉症スペクトラム児の発生率に相関が見られました。

この調査は、空気中に存在する水銀やカドミウムの量を測定したわけではなく、工場などから放出される量を集計しただけです。自閉症と重金属との関連性を証明する決定的な証拠とは言えません。あくまで状況証拠の一つにとどまります。何か別の要因が見過ごされている可能性もあります。

"Autism Spectrum Disorders in Relation to Distribution of Hazardous Air Pollutants in the San Francisco Bay Area."


すでに日本でも紹介された研究ですが、テキサス州で同様の結果が得られたという調査報告へのリンクも示しておきます。こちらも実際に水銀の量を測定したわけではなく、大気中に放出されている水銀の量を地区ごとに推計し、それぞれの地区で自閉症と認定されたり、特別教育の対象となっている子どもたちの数との相関を調べた研究です。

"Environmental Mercury Release, Special Education Rates, and Autism Disorder: An Ecological Study of Texas."
posted by iRyota at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 重金属 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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