あとになってからご自身がアスペルガー症候群であることを知りました。そして、産まれたお子さんも一人はアスペルガー、もう一人も軽度の自閉性症候群であることが分かりました。
お子さんたちの症状を改善できる方法を求めて猛勉強を始めたカレンさんがまず見つけたのは感覚統合訓練、ABA、それにGFCFダイエットでした。
特にGFCFはお母さんも一緒に体験し、効果も実感しました。親子で偏頭痛もおさまりました。お子さんたちが小学校へ通う年齢になってくると厳密な完全除去を続けるのは難しく、わらにもすがる思い始めたのがヒューストン社の消化酵素でした。ダイエットと平行しておそるおそる消化酵素を飲み始め、ダイエットだけのころより上機嫌の日々が続きました。さらに、おそるおそる消化酵素を続けながら、これまで禁止していた食品も少しずつ再開し、さらに調子が良くなりました。二人のお子さんは、感覚統合・ABAとの併用で、食前に必ず酵素を飲むこと以外は普通の生活をしているそうです。
勿論、カレンさんたちは孤独な試行錯誤をしていたわけではありません。デヴィン・ヒューストン先生 (Ph.D) の始めたメーリング・リストでお母さんたちと情報交換をしつつ、何百もの学術論文を読みながら、最適な利用方法を探り当てたのです。
消化酵素だけでダイエット卒業できるのはPDDやアスペルガーなど、軽度の自閉症の人たちです。勿論、この範囲に該当しない人でも、それぞれに合わせたダイエットと平行して酵素を飲めば消化を良くし、腸を綺麗にできるとカレンさんは言います。
酵素自体は、野菜や果物に含まれている酵素と同じで、通常の食品と比べても危険は少ないそうです。ただし、その中から適切な配合の酵素を、適切なタイミングで、必要な量を摂取しないと効果はないとカレンさんは言います。酵素を飲んだあとに食事をしなくても危険はないと言います。
最初に酵素を試したのは、GFCFダイエットですでに効果の見られている子どもたちでした。これからは、ペプチド検査で異常が見られたけれどダイエットは大変そうで実施に踏み切れないというかたが、まず酵素からという選択肢を検討してみるのも良いでしょう。
カレンさんの著書は、執筆にあたって化学者のアンディ・カトラー先生 (Ph.D) も助言しました。翻訳は出ていません。英語の原書は<www.amazon.co.jp>で取り寄せることができます。
Karen L. Defelice. Enzymes for Autism and Other Neurological Conditions: A Practical Guide to Biomedical Therapy [酵素と自閉症、その他の神経学的症状 ―生物医学療法への実践的ガイド―]