2006年08月12日

自閉症の診断が増えたのはカテゴリーの変化のせい?

昔は非常に珍しい存在だった自閉症と診断される子どもの数が90年代に米国で急増した理由の一つとして、かつてはMR (知能の発達の遅れ) やLD (学習困難) と診断されていたタイプの子どもたちが自閉症と診断されるようになったのではという仮説があります。今年の4月に発表されたポール・シャタック先生の論文も、そう主張していました。自閉症児が増えているように見えるのは診断のカテゴリーが代わっただけで、実際の数はそれほど変わっていないのではと言う仮説です。

この仮説に反論する記事も発表されています。6月に紹介した記事Medecal News Today という医学系のネット新聞に4月7日に掲載されましたが、今回紹介する記事はそれより早い4月3日に、News-Medical.Netという別の医学系ネット新聞に、両論併記という形で載りました。

シャタック博士の仮説に対する反論を同じ学会誌にコメンタリーという形で投稿したのはクレイグ・ニューシャファー博士です。自閉症水銀中毒説を主張し、水銀の入っていないワクチンの普及を求めている親たちの団体SafeMindsがニューシャファー博士の主張を支持しているそうです。

自閉症が急増していると主張する側の反論は、教育省のデータ自体が州や時期によって色々であること、48州中28州でMRやLDの減少は見られないこと、診断の分類が代わったせいという仮説を否定するデータは過去にも発表されていることなどです。ニューシャファー博士やSafeMindsの人たちによる調査研究も専門誌に掲載されているそうです。

自閉症やそれに近い症候群の子どもたちが166人に一人の割合で存在すると米国の自閉症協会 (ASA) や政府機関も言っています。昔からそんなに多くの自閉症児が存在していたけれど発見されなかったり、別の診断名をもらっていたのだとすれば、成人の自閉症者が潜在的に同じくらい存在するはずです。そういう人たちにも公的支援が必要なはずです。実際のところ、成人の自閉症者がどのくらい存在するのか、大規模な調査は行なわれていないと、SafeMindsなどの団体は主張しているそうです。なぜそういう調査が行なわれないのか、疑問を感じているようです。

"Study on the rise of Autism creates debate."



posted by iRyota at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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