今回の発表は、生きたネズミを使った生体実験ではなく、ネズミから採取した細胞を実験機器の中でチメロサールに曝し、その変化を顕微鏡で観察した結果です。まだまだ理論的な段階の研究です。
それでも、予防接種の殺菌剤として使われている濃度のチメロサールが、ネズミの樹状細胞に影響することが確認されました。樹状細胞というのは、病原体に対する抗体を生産する上で重要な役割を担う細胞です。20 ppbという薄さ[のチメロサール]ではIL-6というサイトカインが異常に分泌され、200 ppb という濃度になれば細胞そのものを破壊してしまうそうです。
繰り返しになりますが、今回の発見だけで、チメロサールが自閉症の原因になると証明できるわけではありません。チメロサールと自閉症を結びつける根拠が全くないわけではない、という程度の発見だと思います。
"UC Davis Study With Mice Links Thimerosal With Immune System Dysfunction."