2006年05月14日

UCD: チメロサールの免疫毒性

カリフォルニア大学デイヴィス校で行なわれた実験で、極微量のチメロサール (水銀化合物) が健康なネズミの免疫機能の一部を麻痺させることが確認されました。自閉症の臨床的な特徴と直接的に結びつく発見かどうかは分かりませんが、自閉症児の一部で免疫機能の異常が示唆されていることをふまえると、何らかの関係を疑ってみる価値はありそうです。

今回の発表は、生きたネズミを使った生体実験ではなく、ネズミから採取した細胞を実験機器の中でチメロサールに曝し、その変化を顕微鏡で観察した結果です。まだまだ理論的な段階の研究です。

それでも、予防接種の殺菌剤として使われている濃度のチメロサールが、ネズミの樹状細胞に影響することが確認されました。樹状細胞というのは、病原体に対する抗体を生産する上で重要な役割を担う細胞です。20 ppbという薄さ[のチメロサール]ではIL-6というサイトカインが異常に分泌され、200 ppb という濃度になれば細胞そのものを破壊してしまうそうです。

繰り返しになりますが、今回の発見だけで、チメロサールが自閉症の原因になると証明できるわけではありません。チメロサールと自閉症を結びつける根拠が全くないわけではない、という程度の発見だと思います。

"UC Davis Study With Mice Links Thimerosal With Immune System Dysfunction."
posted by iRyota at 08:06| Comment(0) | TrackBack(1) | 重金属 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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