現在の標準的な診断基準では3歳にならないと正式に自閉症と宣告が行なわれないことも多いので、もっと早く発見するための検討項目を揃えるための研究も行なわれています。
その一方で、3歳になった時点で、正式の診断と多角的な検査によって個別教育計画 (IEP) を作成し、専門家の監督と協力による早期介入の体制が整っている地域もあります。(人件費がかかるのでこの予算がいつまで続くかは分かりませんが。)
ここまでは前置きです。
さらに、地域によっては3歳でやっと順番待ちに入れるという例もあります。英国のネット新聞に載った3月31日づけの記事によると、北アイルランドではその待ち期間が最大で35ヶ月にもなるそうです。子どもはもうすぐ6歳です。早期介入が最も効果的とされる時期はすでに過ぎているかもしれません。
マギニス卿という政治家は7歳のお孫さんが自閉症です。このマギニス卿が、北アイルランドの親たちの団体と一緒に、ロンドンの貴族院でこのことを訴えました。昨年の調査によると北アイルランドでは、自閉症が疑われて診断待ちの幼児が686人、学齢期の自閉症児は3500人、大人の自閉症者は20,000です。自閉症と診断される子どもの数も、昨年までの3年間で3倍に増えたそうです。
現在のように対応が遅い状況をマギニス卿は「許されざる醜聞」(scandalously unforgivable) と言って非難しています。
"Three year delays in autism diagnosis."
http://www.tyronetimes.co.uk/ViewArticle2.aspx?SectionID=2617&ArticleID=1414243