2006年04月19日

やはり別の薬: キレーション中の死亡事故

米国ペンシルヴェニア州で昨年おきたキレーション中の死亡事故について、正式の調査報告書が出たようです。事件当初から継続的に記事を載せている地元紙の報道をもとに紹介します。

昨年の夏、アフリカ生まれで英国に住んでいた5歳の男の子 (自閉症) がキレーション中に心臓停止で死亡し、連邦政府で医療を監督する部門であるCDCが調査を始めました。結論は、鉛中毒の治療に使うEDTAカルシウムと間違えて、カルシウム排出に使うEDTAカルシウム2ナトリウムを静脈注入したことが原因であり、今回の正式にそういう報告が発表されました。

さらに1年まえ、2歳の女の子 (鉛中毒) が同じ薬を間違えて投与され、死亡したことも併せて報告されました。それ以外に53歳の女性が死亡した事故も同じ原因であろうということで報告の中で述べられているそうです。

CDCで毒物部門の主任をしているメアリ・ジーン・ブラウン博士によると、20年前、都市部の医療機関で研修をしていた小児科医なら、鉛中毒の治療は必ず何度か経験し、これらの薬のことは良く知っていたそうです。最近はあまり知られなくなったので、カルシウムを排出させるEDTAカルシウム2ナトリウムが必要なことも少なくなっているので、この薬は医療機関に置かない方が良いのではと考えに傾きつつあるそうです。

"CDC says 2 deaths caused by chelation drug errors." Friday, March 03, 2006. By Anita Srikameswaran, Pittsburgh Post-Gazette



この記事が発表される前日に、別の新聞には不正確な記事が載りました。海外自閉症情報でも採り上げたとおりです。
posted by iRyota at 07:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 重金属 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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