ベン・ゴールドエイカー博士というお医者さんが『ガーディアン』紙に発表した記事で、同じ主張が『デイリー・メール』紙にも載ったようです。ゴールドエイカー博士によると、どんな科学的データも100パーセント確実ということは無いそうです。
コクランの委員会は沢山の報告を批判的に検討するために行なわれているので、MMRワクチンの安全性を主張する報告の欠陥を指摘するのは当然であり、それも考慮に入れつつ、信頼性の高いデータも低いデータも検討した上で、その全体像から示唆される結論を素人向けに言えば、やはりこのワクチンは "pretty safe" ということになるそうです。
ウェイクフィールド医師によるたった12人の症例報告と、合計50万人にも及ぶ疫学調査を比較した結論は、生物医学的研究を理解できる人から見れば明らかだとゴールドエイカー博士は主張します。この種の大規模な調査は、一部の子に起きる症状を見つけ出せる精度を持っており、こういう調査報告で自閉症との関連性が見つからないばあい、無関係であることが専門家には分かるそうです。
ウェイクフィールド医師の正しさを裏付ける報告、つまりMMRワクチンと自閉症に関係があると主張する根拠としてフィリップスさんが挙げている論文を載せているのは、偏った意見を発表している米国の右翼的圧力団体の機関誌だとゴールドエイカー博士は言います。相互批評による審査を通って学術専門誌に掲載されたり、パブメド 検索で見つかるような信頼できる報告は皆無だとも主張します。(パブメドというのは、米国の政府資金で運営されている医学文献データベース<www.pubmed.com>のことです。)
要するに、フィリップスさんはとにかく科学を理解していないそうです。
これに対するフィリップスさんからの反論も、近いうちに紹介します。