つまり、今年はアスペルガーの生誕100周年です。
アスペルガーによる研究はドイツ語で発表されたため、限られた専門家のあいだでしか知られていない時期が長く続きました。その資料を調べた英国のローナ・ウィング博士が英語の論文を発表し、自閉症の一種、あるいは自閉症に近い症候群としてアスペルガー症候群が国際的に認知されるきっかけになったのが1981年です。
つまり、今年はウィング論文の発表25周年です。
そういう理由で2006年を国際アスペルガー年とし、いくつかの活動を行なう委員会が2005年の10月に発足しました。
この機会にハンス・アスペルガーやそのほかの研究者による業績を称え、アスペルガー症の可能性がある人たちには診察を受けることを薦め、アスペルガー症への誤解をただし、公的支援を改善し、世の中への認知を広めるための記念行事が計画されています。
サイモン・バロンコーエン教授、ユータ・フリス教授、アンジェラ・ブラウニングさん、スティーヴン・ショアさん、ロジャー・N・マイアーさん、ジェリー・ニューポートさん、マイケル・ジョン・カーリーさんなどの著名人による後援を受け、オーストラリア、フランス、イタリア、メキシコ、スペイン、英国、米国のアスペルガー関係者による団体と世界自閉症機構によって、この委員会は運営されています。
以上、ASPIRESという団体の頁で公開されている情報をもとに報告しました。
ASPIRES (Asperger Syndrome Partners & Individuals Resources, Encourage & Support) はアスペルガー症の当事者と関係者を支援する情報を提供するためにネット上で活動している団体です。
国際アスペルガー年についてはメーリング・リスト (ネット会議室) もあります。純粋にこの年を記念する催しや活動について具体的な話し合いをするために発足した会議室です。