米国における自閉症の悲しい物語のなかで最も悲しい一章であることを述べた上で、いくつか気がついた点をカービーさんは述べています。死因については死後解剖の結果を聞かないと分からないし、EDTAのキレーションで死亡した可能性を現時点で否定はしませんが、それでも不可解な点があるようです。それは、水銀中毒を対象にしたキレーションでEDTAが使われた例を初めて聞いたこと、自閉症児を対象にした例でキレート剤を直接血管に注入する方法も初めて聞いたこと、過去にはキレーションによる死亡例も聞いたことがないことです。ルポルタージュを書くために膨大な資料に目を通し、何百人もの関係者に聴き取り取材をした結果としてです。
たしかに、自閉症児の親たちのあいだで評判になってきた方法は、DMSAやアルファリポ酸の経口投与だったり、DMPSの経皮投与でした。
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