2005年09月06日

論文解釈の撤回をめぐって 2004

MMRワクチンと腸炎と退行型自閉症の関連性を研究しているアンドリュー・ウェイクフィールド医師たちの行動には深刻な倫理上の問題があるらしいという記事が2004年2月『サンデー・タイムズ』紙に載りました。これを問題視した『ランセット』編集部は調査委員会を設け、文書の再検討と関係者の聴き取りによって真偽を確かめました。

この論文は発表当時から賛否両論を呼んでいました。数の上では否定的な意見の方が圧倒的に多かったかもしれません。いくつかの手紙は98年の『ランセット』にも掲載されました。そういった経緯に影響されたかどうかは分かりませんが、2004年の新聞記事が注目され、調査が始まったこの時期に、論文主筆のウェイクフィールド医師ともう一人のお医者さんを除く9人の共著者から論文解釈を撤回する声明が発表されました。(The Lancet の記事は有料です。)



委員会の報告と、論文共著者による解釈の撤回を発表するに当たり、編集長のリチャード・ホートン先生は、この事件の教訓としていくつかの重要点を挙げています。さまざまな研究の精度を調査する委員会を政府によって設けて欲しいこと、ワクチンの安全性に関しては二つの集団を長期的に比較するような調査が難しいため、それ以外にもさまざまなデータを揃えて検討すること、政府にとって都合の悪い証拠をインチキ呼ばわりしないこと、正面から議論すること、ウェイクフィールド医師たちの研究に対する支援は続けられるべきであることなどです。

正面から議論することをホートン先生が強調したのは、『サンデー・タイムズ』にウェイクフィールド医師を非難する記事が載る直前に放送されたテレビ討論で、MMRワクチンを擁護する先生方の多くが出席をボイコットしたからです。このテレビ討論は、MMRワクチンと腸炎と自閉症の関係を追求しているお母さんとウェイクフィールド医師たちのことを採り上げた実話ドラマ Hear the Silence に続いて放送された番組です。

調査委員会の報告の中で問題視されたのは、ウェイクフィールド医師が訴訟団体からの依頼と資金提供による研究を並行して行なっており、その研究で対象になった子どもたちの一部が『ランセット』論文で対象になった子どもたちの中にも含まれていることです。これは金銭的な問題であり、論文の客観性に影響する可能性があります。この点についてウェイクフィールド医師から編集部へ報告がなされていれば、98年に実施したような形での掲載はしなかったであろうとホートン先生は言っています (It seems obvious now that had we appreciated the full context in which the work reported in the 1998 Lancet paper by Wakefield and colleagues was done, publication would not have taken place in the way that it did)。これを、掲載したこと自体が間違っていたという意味だと理解している人も沢山いるようですが、文末を正確に読めば、掲載のしかたに問題があった、つまり、より良い形で掲載することもできたのかもしれないという意味にも理解できます。



調査委員会による報告とウェイクフィールド医師からの回答も紹介します。

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posted by iRyota at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | MMRワクチン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月04日

自閉症の時代: さらにNYタイムズ報道をめぐって

UPIのダン・オムステッドさんは『ニューヨーク・タイムズ』の報道を権威主義とする記事を発表し、引き続きこの報道をにまつわる記事を発表しています。

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posted by iRyota at 18:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 重金属 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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