沢山の権威ある団体が否定している自閉症水銀中毒説をまだ唱え続ける親たちを、無学で感情的・宗教的な集団として描いた『ニューヨーク・タイムズ』の記事に対して、親たちの団体の中でも代表的な存在であり、記事の中でも名前が出てきたセーフ・マインズ (SAFEMINDs) も、編集部宛に反論の手紙を出しました。この投書は掲載されていませんが、セーフ・マインズ自身のウェブでも公開されています。今回の記事は極端に偏向した報道だと主張しています。文章を書いたマーク・ブラックシルさんたちが強調しているのは以下の点です。
米国で自閉症は本当に激増している。
科学界で指導的立場にある機関や学会はこの激増を無視し続けている。
自閉症が激増してきた原因として、環境因子を調べることが必要。
エチル水銀は毒物であり、自閉症の一要因として検討する価値がある。
生物医学的な方法で、自閉症児の健康状態にしばしば改善が見られる。
マークさんたちは『ニューヨーク・タイムズ』の記者たちから電話やメールを介して何時間、何週間もの取材を受けました。その取材の多くは冷静なやりとりでしたが、直接会っての取材や実際に根拠としている学術論文などを見てほしかったマークさんたちに対して、記者たちは約束の時間・場所にあらわれませんでした。セーフマインズが資金を提供した行なわれた実験のデータなども無視され、予防接種に入っている水銀の量と自閉症の発症に関するデータも無視されました。
取材を受けた親たちが気づいたのは、担当した二人の記者のうち一人が、親たちの怒りの感情についてしつこく質問を続けたことです。取材を振り返ってみると、親たちの冷静で科学的な側面は消し去り、感情的な側面だけを浮き彫りにしたいという意図があきらかだとマークさんは言います。無学で感情的な親たちが医学界の権威に対してテロリストのような脅迫を続け、証明されていない療法で子どもたちを危険にさらしているというわけです。
実際のところ、マークさんたちは有名大学や大学院出身の、エリートと呼んでもさしつかえない人たちです。自閉症の増加について自分たちで調べた結果は、審査を通って専門誌にも掲載されています。
自閉症と遺伝の関連性について莫大な資金が費やされていますが、当事者や家族の役に立つ発見はさっぱり出てこないし、それに比べて臨床的な研究に交付される資金はこくわずかだと言っています。水銀との関係についても、実際に自閉症児が水銀中毒かどうかは調べようとせず、大がかりな総人口調査の結果のみで、いくつかの臨床的・生物学的な根拠を否定し続ける先生方の姿勢に満足できず、自分たちで研究しているのだと言っています。
http://www.safeminds.org/pressroom/press_releases/2005-06-27-SafeMinds-NYT-Public-Editor-letter.pdf
posted by iRyota at 18:41|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
重金属
|
|