2005年03月31日

ブレインチャイルド社の栄養剤

個人的に利用した経験は無いんですが、米国の親たちのあいだでときどき話題になるブレインチャイルド社 (BrainChild Nutritionals) を紹介します。この会社を始めたのも親のかたらしいです。

何種類もの栄養剤を定期的に飲ませるのは大変なので、これを混ぜて一つの商品にしてしまえば、手間は省けます。成分表を見比べながらどの時刻にどれを飲ませるか考える必要はありますが、それでも2・3種類ですみます。そういう風に使えるのがブレインチャイルド社の Spectrum Support です。

成分で注意が必要なのはアルファリポ酸とMSMです。水銀をキレートして脳を出入りするので、夜中でも2・3時間おきなど、きちんと時間を決めて飲ませる必要があります。キレート剤を投与する時刻にはリポ酸の入っている Spectrum Support I^ を使い、キレート剤を投与しない時刻にはリポ酸の入っていない Spectrum Support II を使うという組み合わせを実施している親のかたもいます。MSMもわずかですが水銀を動かす可能性があるので、個人差もありますが、MSMの入っていないMegaMineralsや Ultrasensitive Formula を選ぶ人もいます。



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2005年03月30日

VB: ことばと行動

ABA (Applied Behavior Analysis、応用行動分析学) というのは応用された行動分析学、つまり行動分析学の理論や技法を教育や組織運営などの実践に応用する学問です。精神病院での排泄訓練など、医療機関で行なわれてきた歴史もあるので、行動療法という名称で呼ばれることもあります。

自閉症児を対象にした教育方法として応用されるばあいは、B・F・スキナーの動物実験による研究に基づくオペラント行動の原理、つまり快感刺激の報酬によって行動を増やすことが中心でした。スキナーは動物や人間の子どもを使った実験のあと、さらに複雑な人間の行動、特に言語行動の観察研究に何十年もの歳月を費やしました。その成果は Verbal Behavior [言語行動] という著書にまとめられましたが、行動分析学を全く理解していないチョムスキーの的はずれな書評によって、言語学界からは葬られてしまいました。このあたりの経緯は『行動分析学入門』という書籍で分かりやすく説明されています。

オペラント行動の理論に基づいて自閉症児に言葉を教えるにしても、言葉のように複雑な体系を順々に教えていくばあい、どういう言語観に基づくかによって、教える手順は大きく違ってきます。ABAで言葉を教えるなら、スキナーの言語行動理論に基づいて教えると良いだろうと考えたのは、ジャック・マイケル先生 (Ph.D) をはじめとするウェスタンミシガン大学の行動分析学者たちです。この人たちは20年以上に渡る試行錯誤によって、この理論に基づく教授法を具体化してきました。それが AVB (Applied Verbal Behavior、応用言語行動)とか、VBと呼ばれる方法です。具体的な方法を示したVHSヴィデオ Teaching Verbal Behavior や、くわしい教科書も発売されています。

米国では専門家の直接指導によってこの方法を始める家族も沢山いますが、日本でこの方法について勉強するには、英語の書籍を読むしかありません。標準的な教科書とされているのが Teaching Lanugage to Developmentally Disabled Children です。この本には、子どもの言語行動の発達を細かく把握するためのチェックリストがついているので、一人一人に合わせたプログラム (IEP) を組むための役に立ちます。

上級用のカリキュラムとして使われているのが The Assessment of Basic Language and Learning Skills 通称ABLLS [エイブルズ] です。この本はロヴァス系の行動分析学者たちにも使われているようです。

VBは21世紀に入ってから米国の親たちのあいだで評判になっており、二つの集団を比較して効果を確認した論文もあるようです。日本でも一部のお母さんたちが密かに勉強して実践していますが、日本の大学でABAを教えているような専門家でこの方法を話題にする先生が少ないのは不思議です。TEACCH派の先生方からも、もっと注目されて良いはずの方法です。

[以下は論文の要旨です。勿論、要旨を読んだだけで鵜呑みにしてはいけません。]


上記の教材は、開発元であるBehavior Analysits, Inc.から直接購入することもできますが、DRLの方が速く届くかも知れません。


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2005年03月29日

DNC: MMRワクチンと横浜の自閉症

保健関係のニュースをネット上で報道している Daily News Central という頁で、MMRワクチンを中止しても横浜で自閉症が増え続けたという調査報告を紹介しています。

このワクチンが増加の原因ではないという主張が中心ですが、先日ここでお知らせしたBBCの報道と少しニュアンスが違います。あくまで増加の原因ではないという立場であり、自閉症児のごく一部でこのワクチンが引き金になった可能性まで完全に否定しているわけではない、といっています。本文の最後の箇所です。

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2005年03月28日

ドナ・ウィリアムズさんの頁

ドナ・ウィリアムズさんは比較的重いタイプの自閉症者であるようですが、食事制限やDMG、色つきレンズなどで症状を軽減し、何冊も本を書いて、あちこちで講演も行ない、芸術家として作品も発表しています。

2000年からご自身で運営している頁は英語ですが、沢山の写真や作品を閲覧できます。ダイエットや色つきレンズ、予防接種に関する記事も興味深いです。

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2005年03月26日

ASA: 米国自閉症協会は今年で40年

リムランド先生 (Ph.D) が1965年に設立した親の会で、ルース・サリヴァン先生 (Ph.D) が68年に初代会長となり、これまで米国の自閉症者と家族のために活動してきました。この団体の特色は、さまざまな意見を尊重することです。自閉症協会として、何か一つの方法が最善であるというような主張はせず、さまざまな情報を提供し、最終的な選択は当事者と保護者に委ねられます。どういう団体かを手短かに紹介する文章は以下の頁で閲覧できます。


協会自体のホームページの入り口は以下のところです。


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2005年03月24日

ベッテルハイムの伝記

この書評は2002年に書いて、あるネット会議室に投稿したものです。―iRyota

自閉症の原因は親に冷たくされたトラウマ、というのが自閉症心因説です。この仮説を支持していた学者は沢山いたそうですが、これを世間に流布させるうえで最も大きな役割を演じたのが、シカゴ大学教授で大学付属のソニア・シャンクマン・オーソジェニック学校(養護学校)の校長をしていたブルーノ・ベッテルハイムです。

ベッテルハイムは、ナチスの収容所における極限状況の心理や、情緒不安定症、メルヘン研究、子育てや精神分析学の本でも有名で、日本の大学では卒業論文などでしばしば引用されます。

もともとユダヤ人としてオーストリアに生まれ、フロイトのいたウィーン大学に入学してから14年後に学位を取り、収容所生活を経験して米国に渡りました。収容所体験を基にした論文が学会誌に載って注目され、大学の名物教授だった時期にはTVの子育て番組に何度も出演し、ドキュメンタリー映画も製作され、ベッテルハイムを記念した賞も設けられ、名誉教授として華々しく引退しました。

1990年に86歳で自殺したときには、かつて虐待されたという教え子たちからの投書が沢山の新聞や雑誌に載り、世間を驚かせました(Rimland 1990)。ただし、投書した人たちのほとんどは養護学校の卒業生で、投書の内容を疑問視する人も少なくなかったようです。

今回、そのベッテルハイムの伝記を読みました。題名は The Creation of Dr. B [ドクターBの創造] です。著者は、養護学校に寄宿していた自閉症の弟さんがいて、ベッテルハイムと面会したこともあるというジャーナリストの Richard Pollak [リチャード・ポラック] さんです。

続きを読む
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2005年03月23日

NBCの自閉症特集に不満な親たち

2月に米国で放送されたNBCの自閉症特集は、予防接種との関係を真っ向から否定する内容でした。納得が行かない親たちの中には、放送に不満な点を指摘するウェブログを始めた人もいます。

この人たちのネットワークでは、番組製作にあたって面接取材を受けた人たちのことも知られており、放送されなかった部分を列挙しています。

ケンタッキー大学化学科長のボイド・ヘイリー教授 (Ph.D) は水銀やその他の重金属の毒性について研究している人物です。ヘイリー教授に対してNBCはカメラを回して3時間の取材。

毒物学者で自閉症児のキレーションを実施しているラシッド・ブッタール博士に対してカメラを回しながら3時間の取材。

マーク・ガイアー博士とデヴィッド・ガイアーさんはワクチン製造会社や監督官庁CDCに影響されない立場で、(妨害を克服して) CDCのデータベースを調査できた唯一の集団です。このガイアー親子にカメラを回して4時間の取材。

ワクチンから水銀をなくさせる運動をしているSafeminds (Sensible Action For Ending Mercury Induced Neurodevelopmental Disorders)のリン・レッドウッドさんには電話で1時間の聞き取り取材。

アーカンソー大学のS・ジル・ジェームズ博士に対する電話による1時間の聞き取り。

水銀汚染が自閉症増加の大きな要因であると主張するEWG (Environmental Working Group) 代表に対する電話での聞き取り。

以下はほんの少ししか放送されなかった部分の例です。

ルポルタージュを執筆中のデヴィッド・カービーさんへの1時間のヴィデオ取材、結果は、前後関係を無視した数秒の放送のみ。

ノースイースタン大学リチャード・デス教授 (Ph.D)。

自閉症児にキレーションを行なっているケン・ボック博士。

http://nopointsfortrying.blogspot.com/2005/02/interviews-that-nbc-omitted.html
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2005年03月22日

DMG: 大規模な二重盲験

DMG (dimethylglycine、ディメチルグリシン、ダイマサイルグリシン)は、もともとヴィタミンB15とかパンガミン酸という名前で販売されていた栄養剤です。自閉症児の一部で症状を軽減させる効果があると言われ、実際に飲ませている家族は70年代から米国に存在しているのですが、厳密な臨床実験に必要な資金が得られないため、ながいあいだ民間療法として使われてきました。90年代になるとリムランド先生の呼びかけでドナ・ウィリアムズさんや沢山の家族が服用を始め、非公式の報告が注目されると、小規模な少量投与の二重盲験が行なわれ、二つの集団に意味のある差がなかったとして簡単に否定されてしまいました。

台湾では、自閉症児106人を性別・体重・言語能力に応じて同程度のペアに分類し、それを無作為抽出し、一方にDMG、もう一方に偽薬を飲ませる二重盲験を行ないました。DMGの投与量は体重1キログラムあたり6.94から10.41ミリグラムです。4週間の投与を行なったあと、2週間の休養期間をはさんで、二つの集団を交代させ、最初に偽薬を投与した集団にDMG、最初にDMGだった集団に偽薬を投与して4週間の実験を行ないました。最初の4週間が終わった時点で22人 (21%) が脱落し、10週間後には61人 (58%) が脱落しました。これでは適切な比較ができないので、最初の4週間が終わった時点での検査結果だけを分析しました。78%で症状全般と発達に効果が見られました。約7%で不眠やイライラなどの副作用が見られましたが、そのうち78%は葉酸の補充で解消できました。ただし、自閉症児の症状や発達の度合いは個人差が大きく、推測に頼らざるを得ない面も大きいので、厳密な評価は困難です。それでもイライラ、倦怠感、同一性保持、多動、不適切な言語などの症状に対して、軽度から中度の改善が見られたと判断されました。ただし、今後の課題として長期にわたる効果の検証は必要です。

90年代末期に台湾で行なわれた実験で、2000年に台湾の医学雑誌に掲載されましたが、日本ではほとんど知られていない報告なので、あえて紹介しました。以下の頁で英文による要約を閲覧できます。

Shin-Siung Jung, Yueh-Ching Lee. (2000.) "A double blind study of dimethylglycine treatment in children with autism." Tzu Chi Medical Journal 12: pp. 111-121.



http://www.tzuchi.com.tw/tcmj/89-2/8902-6en.htm
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2005年03月21日

論文: MMRワクチンと横浜の自閉症

MMRワクチンの接種を中断したあとも横浜で自閉症が増え続けたという調査結果の論文がネット上で公開されています。

Journal of Child Psychology and Psychiatry [小児心理精神医学新報] という学術専門誌で、印刷版に先駆けての公開です。題名は "No effect of MMR withdrawal on the incidence of autism: a total population study" [MMRの接種中断は自閉症の発症率に影響なし: 総人口調査]
です。

BBCの報道に比べると、結論のニュアンスは少し控えめです。要点は以下の三つです:

1. MMRが自閉スペクトラム症候群 (ASD) の主原因というのは最も考えにくい仮説である。
2. この時期に前後して起きているASDの増加をMMRワクチンでは説明できない。
3. 現在MMRの接種が行なわれている国々でこれを中断してもASDの減少は起こりえない。

無料で公開されているのは論文の要旨だけですが、クレジット・カードで30ドルはらう手続きをすればネット上で全文を閲覧できます。

http://www.blackwell-synergy.com/links/doi/10.1111/j.1469-7610.2005.01425.x/abs/
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2005年03月20日

ARI: リムランド先生の研究所

バーナード・リムランド先生は、心理学で博士号 (Ph.D) を取得して間もない頃、幼いお子さんが自閉症であると診断されました。心理学者であっても集団心理と実験デザインが専門だったので、自閉症 (autism) という用語も知らなかったのですが、調べてみると、冷たい母親のせいという仮説が主流であると分かりました。お子さんは産まれたときから泣いてばかりいて、明らかに普通の赤ちゃんとは違っていたし、奥様の人柄から考えて、この仮説は間違っていると直感し、あらゆる文献を読みまくり、この仮説が根拠薄弱であることを証明する著書『小児自閉症』を1964年に発表しました。もともとこの仮説を支持していたレオ・カナーも自分の間違いを認め、リムランド先生の著書に推薦文を寄せました。

著作が世に出てからは親たちの手紙を情報源にして研究を進め、ABAの普及に尽力し、全米自閉症協会の前進となる親の会を設立し、ヴィタミンB6の二重盲験、遺伝の研究、映画『レインマン』製作にあたっての技術顧問、テンプル・グランディン先生 (Ph.D) やドナ・ウィリアムズさんへの助言、自閉症の治療につながる研究を推し進めるDAN!を主催するなど、民間学者でありながら沢山の親たちの支持を得て活躍してきました。

リムランド先生の自閉症研究所 (Autism Research Institute)、通称ARIは歴史が長く、分かりやすい英語で解説した資料が豊富にありますが、全てをネット上で読めるわけではありません。自閉症について勉強したいかたは、さまざまな印刷資料をここから取り寄せてみる読んでみる方が得られることは多いと思います。特に、親の立場でABAについて書いてある印刷資料は貴重です。

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2005年03月19日

DRL: 教材の通販ならここ



自分たちの子どもが自閉症だと分かったとき、米国人の教育学者に薦められて英語の情報を集め、まずABAの評判を聞きました。Amazon.comで注文したら、ABAの書籍は専門書あつかいらしく、なかなか届かなかったり、在庫なしと表示されてあきらめたりしていました。

そのうちに米国のメーリング・リストで書籍購入の話題が出て、自閉症児むけのABA書籍や教材を専門的に扱っている通信販売の店のことを知りました。ジュリー・アズマさんという親のかたが始めた Different Roads to Learning (ディファレント・ローズ・トゥ・ラーニング)、通称DRLです。学問に王道なし、でも色々あるということでしょうか。

ロヴァス系の書籍や教材は勿論、RDIやVB (Verbal Behavior, 言語行動)、PECSなどの書籍・ヴィデオ・教材も充実しています。言葉を教えるための教材には、そのまま英語教材として使えそうな商品もあります。ABAや教育関係の興味のあるかたは是非、ご覧下さい。

http://www.difflearn.com/

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2005年03月17日

MMRワクチンと横浜の自閉症

はしか (measles)、おたふくかぜ (mumps)、風疹 (rubella) のワクチンを混合したのが新三種混合ワクチン、通称MMRワクチンです。MMRは生ワクチンで水銀は入っていません。1998年以降、特に英国において、水銀とは別の経路による自閉症との関係を疑われているのです。このワクチンの接種率と自閉症の発症率を調べて関連が見られないからMMRと自閉症とは無関係であると主張する論文が何度も発表されましたが、調査の杜撰な点が統計学会で批判されたり、不備な点を指摘する親たちの反論が新聞に載ったりして、英国におけるこのワクチンの接種率は低下する一方でした。

もともとMMRワクチンは89年に日本で乳幼児への接種が始まり、副作用として無菌性髄膜炎が多発したため93年に中断されました。日本での経緯についてはネットで検索するといくつか情報が得られるし、『ワクチンの作られ方・打たれ方: メーカー事情から被害者訴訟まで』(斉藤貴男、ジャパンマシニスト社) といった出版物で詳しいことが分かります。

このまま接種率が低下して麻疹の様な伝染病が流行したら大変ですから、ワクチンへの信頼回復を目指して、このワクチンと自閉症が無関係であると証明するための努力が続けられています。今回は、自閉症の専門家として知られるマイケル・ラター博士が横浜のお医者さんたちと協力して、横浜のある医療機関のデータを利用し、88年から96年までに産まれた子どもたち31,426人のうち自閉性症候群の子どもたちの数、年ごとの推移を調べました。

88年生まれの子どもたちでは1万人あたり48例だったのが、93年以降も増え続け、96年生まれでは117.2人まで増え続けました。

この結果は、MMRと自閉症が無関係であるとする新しい証拠だとラター博士たちは主張しているようです。

以下のリンクはBBCの記事ですが、DPT三種混合、日本脳炎、インフルエンザなど、水銀の入っているワクチンについては全く触れていません。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/4311613.stm

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2005年03月14日

炭水化物とダイエット

国内の頁ですが、たまごおうじの母さんの頁を読んで感心させられることがしばしばあります。最近、イモ類の影響について書いてらっしゃるのを拝見して、炭水化物について考えてみました。

http://plaza.rakuten.co.jp/ganbarutamago/diary/200503100000/

自閉症児の一部で症状を軽くできる食事制限として最も知られているのはグルテンとカゼインを含む食品を完全に除去するグルテンフリー・カゼインフリー、通称GFCFダイエットです。GFCFは血液や尿を調べた研究も沢山あり、二つの集団を比較した臨床実験の論文もあります。ただ、きちんと続けるのは非常に大変です。何らかの効果が見られるのは自閉症児の6割程度ですから、4割に相当する人が試しにやってみるには大変すぎるかも知れません。前もって尿ペプチド検査はしておいた方がよいです。

http://www.greatplainslaboratory.com

ペプチド検査で陽性だったけれど学校給食などの関係で実施は難しいという人は、Houston社のAFP-Peptizydeなどの消化酵素をかわりに使うという方法もあります。

グルテンを除去することでお腹の調子や自閉症の症状に改善の見られる人の中には、タンパク質の未消化ペプチドよりも炭水化物に悪影響を受けやすい体質の人もいます。それが消化の問題なら、Zyme Prime などの酵素で分解を完全にすることで、症状を軽くできることもあります。

中には糖質そのものが駄目という人もいます。いくら炭水化物を摂取しても、腸内でカンジダなどの有害菌にそれを奪われてしまい、有害菌が増えるだけというタイプです。こういう子は、糖質の多い食べ物を少し増やすとすぐに症状が悪化します。

対策として米国で実施されている何種類かのダイエットを紹介します。一つはアトキンス・ダイエットという方法で、これは日本語の頁もあります。

http://www2.plala.or.jp/eddie/

米国の親たちのあいだで評判が良いのは Specific Carbohydrate Diet [特定炭水化物ダイエット] 通称SCDという方法です。

http://www.scdiet.info/

これと似た方法で、栄養学のさまざまな手法を採り入れている Body Ecology Diet、通称BEDという方法もあります。

http://www.bodyecologydiet.com/

この種の問題で悩んでいるお母さんたちは、最近「腸弱会」と名乗ってらっしゃるそうですが、アトキンス、SCD、BEDあたりがヒントになるかもしれません。穀物などを控えても、脂肪を燃焼させることができれば、カロリーは補えるそうです。てんかんの発作がSCDやアトキンスで減ったと言っている親の方も米国にはいるそうです。

最後に、アンディ・カトラー先生 (Ph.D) がダイエットについて助言している投稿も紹介しておきます。

http://health.groups.yahoo.com/group/Autism-Mercury/message/129186
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SAR: 世界最大の情報源

JiJo海外版が最も重視している情報源の一つが、レニー・シェイファーさんの運営しているSAR、Scafer Autism Report です。

SARはインターネット上で見つかる自閉症関連の情報を一にぎりのヴォランティアの人たちが丹念に拾い集め、テキスト形式のメールとして配信している、一種のメールマガジンです。週末を除いて、ほぼ毎日、膨大な情報を世界中に送り出しています。正確な人数は忘れましたが、自閉症関係のメーリングリストとしておそらく世界最大です。

もともとはFEATという親の会で、会員の勉強のための情報源として始まりましたが、内容も多く、外部の定期購読者数も増え、現在は独立したメーリング・リストとして運営されています。

記事の種類は、学術論文の要旨、大手新聞や地方新聞がネット上で公開している記事、各種団体の発表、個人投稿など、何でもありです。

レニー・シェイファーさんは、アイザックさんという自閉症の息子さんと二人で生活しています。レニーさんは生活保護を受けながら子育てを行ない、余暇の時間にこのニューズレターを編集しています。

購読は無料です。申し込みは以下の頁でできます。
http://www.sarnet.org/
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2005年03月13日

リンクはご自由に

ご自身の頁をお持ちのかた、海外自閉症情報にリンクをはりたければご自由にどうぞ。個別の記事へのリンクも自由です。

こちらへのメールも原則として不要ですが、ご一報頂ければ嬉しいです。

コメントやトラックバックもご自由にどうぞ。ただし、内容と無関係な商品の宣伝などはお断わりします。
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RDI: 社会性を育てる

21世紀になってから一部の親たちに注目されている教育方法の一つが、人間関係の発達を促すことを主眼とする Relationship Development Intervention、通称RDIです。

スティーヴン・ガステイン (Steven Gutstein) 先生は博士号 (Ph.D) を持つ心理学者として長年ABA (応用行動分析学) を実践し、子どもたちの言語や知能の向上を体験し、社交辞令を上手に言えるようになることも確認してきました。それでも、能力の高い自閉症者は孤高の人になりやすく、相手の気持ちを察知して共有するようにはならない、つまり自閉症の核心部分は変わっていないと感じるようになりました。

そこで、新しい発達心理学の成果を再検討し、乳幼児が人間関係を学びながら社会性を身につけていく過程をスモールステップ化し、親が自宅で実践できる行動療法の良さも生かしつつ、開発してきたのがRDIです。知能の発達の遅れが著しい子でも効果があり、訓練時間もそれほど長くないと言っています。

すでに注目している親は多く、NBCの特集と提携して出されたNewsweek誌の自閉症特集でも紹介されました。二つの集団を比較した臨床実験の報告も審査を通り、今年の早い時期に自閉症専門誌に論文として掲載される予定です。

http://www.connectionscenter.com/
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2005年03月12日

アスペルガーの親子: 偏頭痛と消化酵素

カレン・L・デフェリーチェさんは大学院で農業科学を専攻して修士号を取得し、理科の教材を開発する仕事をしてきた才女ですが、子どものころから、言われたことをいつでも文字通りに解釈してしまう癖がありました。偏頭痛に悩まされることもありました。ちなみに結婚したお連れ合いは医学博士です。

あとになってからご自身がアスペルガー症候群であることを知りました。そして、産まれたお子さんも一人はアスペルガー、もう一人も軽度の自閉性症候群であることが分かりました。

お子さんたちの症状を改善できる方法を求めて猛勉強を始めたカレンさんがまず見つけたのは感覚統合訓練、ABA、それにGFCFダイエットでした。

特にGFCFはお母さんも一緒に体験し、効果も実感しました。親子で偏頭痛もおさまりました。お子さんたちが小学校へ通う年齢になってくると厳密な完全除去を続けるのは難しく、わらにもすがる思い始めたのが続きを読む
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2005年03月11日

創刊にあたって

2003年から運営してきた JiJo - 自閉症情報 の新企画として、主に海外からの情報を紹介するウェブログ (ブログ) を始めることにしました。

http://asdnews.at.infoseek.co.jp/
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